一般質問


平間武美議員

 

環境対策
 
 
放射性汚染廃棄物の全県一斉焼却方針の撤回を
最新鋭の焼却炉・バグフィルターで混焼を予定している

■質問
 市町村長会議で村井知事は、保管されている1キログラム当たり8000ベクレル以下の放射性汚染廃棄物に、一般廃棄物を10倍前後混ぜて全県で焼却し、焼却灰を既存の管理型処分場に処分する方針を打ち出した。町議会では全員協議会で話し合いが持たれたが、このことに対して、撤回、再検討を求める。
 第一の理由は、焼却炉のバグフィルター(メモ)等で放射性セシウムを99.9%除去できるという根拠が不十分な環境省の言い分を大前提にしており、一斉焼却が県民に放射線被ばくを強要することになる可能性には一言も触れていない。
 第二の理由は、廃棄ガス中に放出される放射性セシウムを確実に検出できる測定計を用意していないのに、混焼による焼却を「安全に迅速かつ大量に処理を進められる方法」と正当化している。
 第三の理由は、住民に対する説明会が予定されておらず、意見を聞かないまま12月下旬の次回市長村長会議で方針を一方的に決定するという民主主義に反するプロセスで進められている。
 市町村の要望を尊重して国に働きかけることに精励することを村井知事や奥山仙台市長に求めていくことが、現県町村会会長の村上町長に課せられた重大な責務と考えるが町長の見解は。

■町長
 県では、8000ベクレル以下の放射性汚染廃棄物の処理を進めるため、さまざまな処理方法を検討した上で、市町村長会議で、村井知事から全県一斉焼却の方針が示された。また、奥山仙台市長は、試験焼却をする場合は周辺住民を対象に説明会を開く考えを表明している。
 本町でも、議員全員協議会で、放射性セシウム除去率がおおむね99.9%以上であることが確認されており、実際に汚染廃棄物を焼却しても、周辺環境への影響がないことが確認されたことを説明した。
 次に、空間放射線量の測定については、排ガスの放射線セシウムの濃度や周辺の空間放射線量等の測定を定期的に継続するなど、モニタリングの強化が行われることも議員全員協議会で説明した。
 住民説明会については、焼却炉や最終処分場等のある市町において、周辺住民等を対象とした説明会を開催し、安全性を説明することで理解を得て、12月下旬に予定されている市町村長会議に臨むところである。
 放射性汚染廃棄物を保管している農家の苦労を一日も早く解決したいという村井知事や奥山仙台市長、それに各市町村長の思いは一つである。国でも技術的、財政的な支援をしっかり続けると述べており、試験焼却により安全性が担保された上で、放射性汚染廃棄物の処理を一歩前に進めることを強く願っている。

■再質問
 岩手県宮古市で実験し、放射性汚染廃棄物を一般廃棄物と混焼したが、焼却炉の風下で空間放射線量率に影響が表われ、放射性セシウムの20%が排気ガスとともに放散されたとの実験データがある。また、廃棄物資源循環学会2014年の総会で、遠野市の混焼を評価した研究ではバグフィルターで除去された放射性セシウムは64.6%にすぎなかったとある。99.9%の数字はどこからのものか。

■町長
 仙台市では、もう混焼の試験をやっている。いずれも、試験の前後では放射性セシウムは不検出とのデータが出ている。国の基準、結果も考え対処した。また、焼却炉によって若干の違いもあると思うが、仙南地域での焼却炉は最新鋭の機種で、最新鋭のバグフィルターを使っていることからも、ご理解を願いたい。



今後の処理が検討されるロール牧草

 

メ モ
バグフィルターとは、排ガス中の煤塵を濾過捕集するために焼却炉などに取り付ける集塵装置。

 

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