健康一口メモNo355
肩こりとなで肩
公立刈田総合病院整形外科 医師 芦名 善博 先生
肩こりは国民病とも言える症状ですが、その要因の一つに「なで肩」が関与していると言われます。我々の専門領域では、肩とは上腕骨と肩甲骨が成す関節を指しますが、一般的には「僧帽筋」を意味し、肩こりの原因の多くはそこにあります。僧帽筋が伸ばされ筋腹が圧迫されることで、筋を養っている血流に障害が起こると、いわゆる肩こりの症状が出やすく、なで肩の骨格であるとその状態になりやすくなるのです。
なで肩には明確な定義がありませんが、頚椎のレントゲン側面像で第7頚椎以遠の椎体がいくつかはっきり写っていると、なで肩の疑いがあります。なで肩の人は普段から肩が下がり、慢性的に僧帽筋の血流障害をきたしている可能性があるため、普段から両肩を意識的に少しだけ高めにし、体の縦軸と両肩が垂直になるようなイメージで過ごすと、肩こり改善の糸口となりえます。
もちろんその他に、日々のストレスや食生活の乱れ、生活習慣の乱れなども肩こりの症状に複雑に関与していることが多いため、それらも併せて見直してみると良いと思います。
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