自治防災組織を立ち上げよう!

自主防災組織を立ち上げよう!

 大規模な災害が発生した場合、各地で建物の倒壊や火災が発生し、電話が不通となり、道路や水道などライフラインが寸断され、行政や警察、消防など活動は著しく制限されることが予想されます。
 こうした状況の中「自分たちの地域は自分たちで守る」という信念と連帯意識のもとに、家族や地域住民がお互いに協力し、助け合い、被害の未然防止、又は被害を最小限に抑えることが必要となり、自らが判断した初動対応が重要となります。これらの防災活動を行うに当たり、各自がバラバラに行動するのでは効果はあまり期待できません。地域住民が組織的に行動することによってその効果が最大限に発揮できるのです。
 そこで、行政区などを中心に、「自主防災組織」を結成し、日ごろから大地震等の災害に備えて、防災活動を展開していくことが重要です。

町の役割

●結成支援・アドバイス
●町内全域の防災マップを作成
●救命講習会などの実施
●防災知識の普及
●結成、防災活動、機材整備補助金の交付す

行政区の役割

●緊急時の連絡体制の確立
●緊急時に連絡、避難などができる隣近所の組織づくり
●周りの人の手助けが必要な人(避難困難者)の把握
●危険箇所の把握
●避難場所の確認
●防災啓発、研修、訓練の実施
●防災資機材の備蓄と整理・点検

町と自主防災組織(行政区)との連携

結成までの手順

@自主防災組織の必要性を地域の皆さんで話し合います
※区長などを中心に結成を検討します。必要に応じて町もドバイスします

A自主防災組織の結成に向けた同意をとります
※地区で総会や会合を開催し、結成の趣旨や活動内容を説明し、同意を得てください。


B役員・運営委員を選出し、役割分担を決めます
※組織の中心となる役員と、活動する内容ごとに班を結成し役割分担しましょう。


C自主防災組織の規約を作成します
※規約は、活動目的や内容を取り決めるものです。規約の作成は町にご相談ください。


D地域の皆さんに回覧して結成をお知らせしましょう


E町役場に結成を届け出します。

 町役場総務課(TEL0224−33−2211)に提出してください。



自主防災組織の活動事例を紹介します
北境行政区自主防災会
会長 高 沢 一 男

北境区自主防災マップ

避難困難者などの高齢世帯は赤で表示。避難場所や消火栓位置などが載ったマップ

@自主防災組織の概要
◆活動地域の世帯 約85世帯
◆組織体制

 会長、防災委員、副会長のほか、北境地区を大きく2つの班に分け、その中で5班(班長、広報情報班、消火班、救出救護班、避難誘導班)から編成されています。

A平常時の活動
◆防災訓練
 年2回実施。区民を対象に、消防署の協力を得て、消火器の操作方法や心肺蘇生法を習得。また、防災マップを使用し、避難経路の確認や消防団による消火栓の操作確認などを実施しています。

◆防災マップの作成
 避難場所や消火栓、防火水槽の場所や、外出が困難な高齢者や障がい者の住宅位置、災害時の給水場所など、防災活動に必要な事項をマッピングし、非常時の対応に備えます。

◆備品
 同地区では、震災の翌年の総会で、災害時に対応するため備品の重要性を説明し、各組合などから基金を集め、約130万円を投じて、連続12時間稼働可能なディーゼル発電機や灯光器、炊き出し用の窯などを購入。また、結(ゆい)と記入されたヘルメットを各世帯に配りました。


草刈りなど地域の集まりにも使用

夏祭りや催事ごとにも活用します

B東日本大震災時の活動
 水道が断水などの被害を受けましたが、湧水が豊富に湧く世帯があり、災害時の給水場所として利用されました。防災マップにも記載されています。
 また、災害がれきや瓦などの無償回収が決まった際、女性だけの世帯や高齢者だけの世帯など、自分達だけで処分場所に運ぶことが出来ない世帯があり、同地区の若い人が結成している「たこの会」に事情を話したところ、快く引き受け、27人の会員が各世帯を回り1日がかりで処理を代行しました。各世帯を訪問した際、自主活動の取り組みに涙を流して感謝されたそうです。

C今後の課題等
 自主防災組織の立ち上げに際して、北境区長の高沢一男さんは「作ることは簡単だが、これを父から子へ、子から孫へ持続継続していくことが大切です。防災は、地域の人たちが、手をとりあい組織として活動することで大きな成果を生みます。近年、人との繋がりが希薄になってきましたが、こういうときこそ「結(ゆい)=つながる」が大事なんだと思います。」と、熱く語ってくれました。


防災への熱意を語ってくれました

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