健康一口メモNo274
｢認知症？と思ったら早めの受診を」

仙南サナトリウム　副院長　菅野　正浩先生

　ご家族が認知症かもしれないと思ったら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。癌の場合には早期に発見をすれば完治が望めますので、早期発見、早期治療にメリットがあることはご理解いただけることと思います。認知症の場合にも早めの受診にメリットがあるのです。
　まず、認知症と思っても、実際には全く違う病気である場合があります。例えば、脳内の血腫やうつ病が代表です。これらの病気には、認知症と区別のつかない物忘れ症状がみられますが、早期に発見をして治療すれば治る病気なのです。
　次に、認知症と診断されても、早期に認知症の薬を服用することで、治ることは難しいにしても、認知症の進行を遅らせ、軽い状態を維持することが期待できます。最近では、認知症に対する治療薬の種類が増えています。
　最後に、デイサービスなどの介護保険サービスを利用することにより、脳のリハビリを行い、認知症の進行を遅らせることができる可能性があります。まだ早いうちから、今後のことを考える準備もできます。
　年を取れば、物忘れはどなたにでもみられますが、年のせいと決めつけないで、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

休日当番医（内科・外科・歯科）　4月7日〜5月6日