特集
   

みんなで取り組む獣害対策
〜イノシシや熊から田畑を守ろう〜

町内では野生獣による農作物の被害が年々増加しております。秋の収穫が一段落ついた今、もう一度獣害のことについて考えてみたいと思います。

獣害とは何?
 獣害とは、イノシシや熊など野生の動物によって、主に農作物に被害がでることを言います。
 被害が広がり耕作をあきらめてしまうと耕作放棄地が拡大し、更なる害を招きかねません。

獣害の原因とは
@獣にエサを与える(いつでも食べられるエサを知らず知らずのうちに与える) 「おなかいっぱい食べられた」→ 「この集落ではいつでもエサにありつける」→「いつ行っても食べられる」と獣が覚えます。
A人に慣れる 「人に見つかっても無事逃げることができた」→「いつでも逃げられる」→「人なんて怖くない」と獣が覚えます。
 @、Aのようなことをしていると、知らず知らずのうちに獣を餌付けしていたことになります。

集落にある獣のエサ
 エサの種類はたったの2種類です。
@動物が食べたら人が怒るエサ (農作物など)
A動物がいくら食べても誰も怒らないエサ(雑草、生ゴミ、収穫しない果樹、ひこばえなど)→
 この2種類のエサは獣にとって、どちらも同じエサです。「この集落ならいつでもおいしいものが食べられる」と覚えてしまいます。

獣害対策の順序
 やるべき対策は次のこの順番で行いましょう。
@みんなが餌付けとは何か、被害とは何かを勉強する
A守れるほ場、エサ場と認識しにくい集落へと環境改善
B柵の設置や追い払い
C有害獣捕獲などコストや技術を要する対策

獣害対策の5つのポイント
@囲える畑はネットや柵でできるだけ囲う
A人里は怖いと覚えさせるため、獣を見たら必ず追い払う
B集落内にある、収穫後不要となった野菜や果樹などの「エサ場」をなくす
C耕作放棄地や藪など、獣の隠れ場所をなくす
それでもだめなら(最終手段)
D加害している獣を適切に捕獲する

知っていますか「イノシシ」のこと

性格/臆病で注意深く、なかなか人前に姿を現さない。いったん慣れると大胆になる。
運動能力/助走なしで一b以上の柵を飛び越える。
視力/0.1前後だが動体視力は人間以上。色は青系統のみ識別可能。
嗅覚/犬に匹敵する。
食べ物/イモやタケノコ、イネ、カボチャ、ドングリ、ミミズなど(基本的には何でも食べる)
防御力/体を覆う剛毛は電気を通さない。(鼻先で物を探る習性があるため、電気柵は鼻に当てさせるよう設置する。)
生態/1年に1度、平均4〜5頭生むため、いったん増えだすとなかなか減らない。
寿命/長くて10年。
足跡/4本指。前2本のみ跡が残ることが多い。
フン/粒状のものがひとかたまりに。


町の取り組みを紹介します


電気柵を設置した畑(小村崎地区)

 町では鳥獣による農作物の被害を防ぐため、「蔵王町農作物有害鳥獣対策協議会」を設置し、野生鳥獣保護との調和をとりながら、農作物に及ぼす被害防止対策に努めております。
 また、有害獣による農作物被害を防ぎ、安定生産を図るため、電気柵等の購入に要する経費の一部助成を行っております。
※電気柵等の購入に要する経費の一部助成
事業対象者・町内の農業者の方
 (※自家消費分は対象外です)
 補助率・1/3以内(限度額30万円)

町の被害防止対策とは?
@町に対してイノシシやクマによる農作物被害報告があった農地に、捕獲隊員が許可を受けて罠を設置します。
Aカラスやカルガモなどの鳥類による農作物被害を未然に防ぐため、毎年春と秋に捕獲を実施しております。
Bその他、捕獲隊による設置した罠の見回りや、被害の報告があった畑などに出向きパトロールを実施し、爆竹や花火を点火し鳥獣を追払うなどの活動を行なっております。
 また、被害防止対策には町内の「有害鳥獣捕獲隊」32名が、有害鳥獣による農作物被害を防ぐべく日々活動しております。

町有害鳥獣捕獲隊
 円田隊 村上  要 隊長(円田中地区)外17名
 宮  隊 我妻 正一 隊長(宮司地区) 外5名
 遠刈田隊 佐藤 秀一 隊長(北山地区) 外7名

 

町内での有害鳥獣捕獲実績
 

平成20年度

平成21年度

平成22年度

平成23年度
(10月末現在)

イノシシ(頭)

18

ク  マ(頭)

鳥  類(羽)

664

232

101

186


イノシシによって被害を受けたとうもろこし畑(円田地区)

これだけは実行しよう!
 獣害対策で最も大切なことは、エサを与えない事です。
 ここで言うエサとは、動物にとっての食べ物であり、決して畑にある収穫を待つ野菜や果樹だけでは無いことに注意して下さい。
 人間が捨てた残飯や、畑に放置した果樹も鳥獣にとっては「ごちそう」であることを今一度考え、屋敷の周りを点検することが大事です。
 また、草が伸び放題の畑や田にも注意が必要です。草木は獣の侵入を隠し、行動を助長しています。
担当/農林観光課 TEL0224−33−3004

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