健康一口メモ　No167
「癌を内視鏡で治す」

公立刈田綜合病院
消化器科　佐藤　 匡　先生

　癌-特に胃がん、大腸がん、食道がんなどといった消化管の癌はいまだ日本人の死亡率のかなりのパーセンテージをしめています。しかし、癌とはいえ、早期の段階で発見されさえすればそのほとんどは根治治療が可能です。しかも粘膜内にとどまる癌であれば開腹手術の必要さえなく、内視鏡でその部分のみを切除するだけで治すことも可能なのです。
　我々消化器内科は、日々早期発見を目指し内視鏡検査を行っています。確かに内視鏡検査自体が楽なものではありません。費用的にも安い検査でもありません。内視鏡治療にしても出血や穿孔などといった合併症の危険もあり得ます。しかし、癌を2〜3週間で治してかつ以前と全く同じ生活が可能である、これをメリットといわずして何といいましょう！！日本人に特に多いとされている消化器の癌、30年前には発見も困難で死の病であった病気が2週間程度の入院で治せるのです！！
　ただし早期発見が絶対に必要な条件です。内視鏡検査に抵抗のある方も多いとは思いますが、怖がらずにぜひ一度体験して頂ければと思います。安定剤を使用して、いくらか楽に検査を受けられる方法もあります。
　なんといったって、消化器の癌は早く発見できれば治せる癌なのです。

宮城医院（外科）
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