■質問
日本、中国、韓国、東南アジア等15カ国で署名した地域的な包括経済連携(RCEP)協定が4月に国会で承認された。今後は日本の農作物の価格が下がり、離農せざるを得ない農家が出てくることも考えられる。コロナ禍における米価下落も深刻であることから、4点について伺う。
@TPP協定、RCEP協定発効による蔵王町の農業への経済的ダメージを試算しているか。
■町長
試算はしていないが、本町の梨やリンゴは品質が高く評価されているので、極端に影響を受けるとは思っていない。
■質問
A蔵王町独自の農業支援策として、農薬代の補助や共済掛金の一部立替えなどの生産費補助などの検討は。
■町長
自由貿易に伴う独自の生産費補助等は考えていないが、国庫補助事業等の情報をいち早く収集し、農家に提供していくことが重要と考える。今回の凍霜害などの自然現象に起因する被害については、その都度被害の状況を見極め、農家の生産意欲を継続させる助成や支援にスピード感を持って取り組む。
■再質問
蔵王町は農業と観光の町であり、農業があるから観光が成り立っている。今の支援だけでは、蔵王町の農家数は減っていくと考える。他町から「蔵王町なら農業がしやすい」と言われるような、抜本的な支援が必要ではないか。
■町長
町独自の支援策を考えると一般財源になってしまうため、一番は国が考えるべきである。
■再質問
農業は景観を守り、自然災害の減災などにも寄与している。スイスは景観を守る観点から農家に補助金を出しているが、町も出来ないか。
■町長
分からない事もないが、簡単ではない。農業委員会とも話をして、環境を整備していく。
■質問
B国連は「持続可能な開発目標(SDGs)を呼びかけ、「家族農業の10年」、「農民の権利宣言」を決議し、家族農業が、持続可能な社会を作る力と位置付け、支援を呼び掛けているが町はどう捉えているか。
■町長
本町でもほとんどの農家が家族経営であり、日本の農業を守るという大きな見地から、国においてしっかり取り組むべきものと捉えている。
■質問
C蔵王町の学校給食の地場産品の割合が、平成30年現在で15%と農業の町としては非常に低い。町ではどう考え、実行をしているか。
■教育長
あくまで価格で比較した割合で、重量ベースで換算した場合、令和2年度には22.3%と増えており、季節によっては使用率100%の野菜もある。農林観光課と連携し、30%を目標に対策を講じている。教育委員会としても、学校給食に出来るだけ地場産品を活用していきたい。
■再質問
給食の問題は教育の観点だけではなく、SDGsの貧困をなくそうという動き、農業を守る動きにも繋がる。将来的には蔵王町の農作物を100%使い子供を育て、農家のモチベーションも所得も上がることで、「次世代の農家」と「きれいな町」が残せると思うが、町長の考えは。
■町長
家族農業は町にとって絶対必要であり、町としての関わりを多く持たせることにより、問題が少しでも解決できると思っており、やれる範囲で頑張っていきたい。

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