始められたしいたけ原木栽培の試行
■質問
東京電力福島原発事故の放射能汚染により大きな損害を被り、見えない恐怖は現在も払しょくされていない。
発生から間もなく3年になるが、次の5点を伺う。
@原木しいたけ生産の早期再開が切望されているが、今後の対策をどうするのか。
■町長
町内の汚染ほだ木は除染のため数カ所に集積されたが、依然出荷制限指示がなされている。宮城県「きのこ栽培における放射能対策作業マニュアル(仮称)」による新たな栽培指針の徹底により、県内有数の産地として平成26年度以降の出荷制限解除に向け鋭意準備を進めている。
A町独自に取り組もうとしている、汚染牧草などの炭化処理事業の構想と今後の展望はどうなのか。
■町長
汚染物の処理方法を模索するため、放射性物質汚染物処理対策協議会が実証試験を実施した。汚染牧草ともみ殻を混焼することで、安全に減容・減量できることが確認された。
国が定める基準値以下の炭化物を道路の路体などに活用することで処理を進めるため、補助事業での実施を国に提案した。
しかし、最終処分先が不明で、補助対象は難しい状況だが、引き続き採択を働きかける。
■再質問
試験の結果十数億円の費用と数年の処理期間を要することもわかったが、8000ベクレル以下の汚染物処理も国が責任を持つよう働きかけるべきではないか。
■町長
8000ベクレル以上のものの保管場所すら決まっておらず、まず宮城県で最終保管場所を選定する必要がある。
B放射能による健康被害を心配する健康調査希望者への受診に関する指導も必要ではないか。
■町長
現状では放射能に関する健康調査の必要はないものとしている。しかし、甲状腺や内部被爆検査を自主的に受ける際の検査機関や費用面などの問い合わせについては、案内をするよう関係各課で調整確認を行っており、ホームページの活用も必要かと思っている。
C町内産業が被った被害の賠償金の支払い状況はどうなのか。
■町長
実際の請求は、関係組織や業界団体が取りまとめており、請求や支払い状況は一部を除いて把握できない。
D汚染対策で町が受けた職員の人件費も含む損害の総額と請求及び支払い状況はどうなのか。
■町長
これまでの賠償請求額は、23・24年度の一般会計で768万円、水道会計で53万円である。その内、水道会計分が支払われている。
■再質問
放射能対策に向けられた直接経費を予算書から集計すると、職員経費を除いても23〜25年度で6100万円となり、請求額と余りにも違い過ぎる。すべてを請求すべきではないか。
■副町長
請求額以外は、震災特別交付税の一般財源で賄われている。
■再質問
汚染により支出を余儀なくされた一般財源は、全額賠償を求めることが町民の気持ちではないか。
■町長
全額賠償されるよう勉強し、県内の首長とも協議検討したい。

実証試験のようす
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