令和３年蔵王町議会定例会３月会議

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

令和３年３月１日（月曜日）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　出席議員（１５名）

　　　　　１番　　松　�ｱ　良　一　　君　　　　　　　２番　　加　川　　　敦　　君

　　　　　３番　　大　沼　昌　昭　　君　　　　　　　５番　　平　間　徹　也　　君

　　　　　６番　　佐　藤　敏　文　　君　　　　　　　７番　　齋　藤　英　之　　君

　　　　　８番　　平　間　武　美　　君　　　　　　　９番　　佐　藤　長　成　　君

　　　　１０番　　三　沢　　　茂　　君　　　　　　１１番　　遠　藤　裕　一　　君

　　　　１２番　　外　門　　　清　　君　　　　　　１３番　　村　上　一　郎　　君

　　　　１４番　　葛　西　　　清　　君　　　　　　１５番　　馬　場　勝　彦　　君

　　　　１６番　　村　山　一　夫　　君

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　欠席議員（なし）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　説明のため出席した者

町長		村　上　英　人　　君
副町長		平　間　喜久夫　　君
会計管理者 会計課長		佐　藤　浩　明　　君
総務課長		今　村　敏　男　　君
まちづくり推進課長		佐　藤　長　也　　君
町民税務課長		大　槻　充　夫　　君
保健福祉課長		鈴　木　智　子　　君
子育て支援課長		宍　戸　光　晴　　君
環境政策課長		宮　澤　一　弘　　君
農林観光課長		加　藤　勝　彦　　君
建設課長		佐　藤　耕　造　　君
病院事務長		平　間　勝　文　　君
上下水道課長		我　妻　　　仁　　君
教育長		文　谷　政　義　　君
教育総務課長		福　地　実　幸　　君
生涯学習課長		我　妻　　　敏　　君
スポーツ振興課長		森　　　良　光　　君
代表監査委員		伊　藤　悦　雄　　君
農業委員会長		武　田　明　夫　　君
農業委員会事務局長		村　上　伸　浩　　君
選管委員長		大　沼　芳　国　　君

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　事務局職員出席者

事務局長		鈴　木　　　賢　　君
事務局長補佐		佐　藤　孝　志　　君

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　 議事日程　第１号

 

　 令和３年３月１日（月曜日）　   午前１０時００分　開議

 

　 日程第　１　会議録署名議員の指名

 

　 日程第　２　会議日程の決定

 

　 日程第　３　諸般の報告

 

　 日程第　４　行政報告

 

　 日程第　５　常任委員会調査報告

 

　 日程第　６　町長の施政方針表明

 

　 日程第　７　代表質問

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　本日の会議に付した事件

　　議事日程のとおり

　　　　　午前１０時００分　　開会

○議長（村山一夫君）　皆さん、おはようございます。

　　議会定例会３月会議に当たり、ご挨拶を申し上げます。

　　議員全員の参加の下、開催されることに対して感謝を申し上げるところでございます。本日より３月16日までの開催である議会となりますが、活発な議会になりますようご期待申し上げるところでございます。

　　そしてまた、２月13日夜に福島沖を震源とする地震があり、宮城県蔵王町では最大震度６強の地震を観測することになったわけでございますが、最初は大した被害もなかろうと言っていたところでございますが、恐らく１億円以上の被害が出ただろうということではございますが、まだ正確な数字がまとまっていないということで、後で町長からも説明があるんだそうでございます。

　　そしてまた、コロナ感染症については、宮城県内では大分収束はしてきておりますが、これがまた４次感染というふうにつながっていけばまだまだ増えるときもあるんだろうなと思っているところでございますが、コロナに対してのワクチン注射は２万8,000名ほど日本でもやったということでございます。

　　そしてまた、世界的にもワクチン製造がアメリカの会社では今度Ｊ＆Ｊという製品が許可になったそうでございますが、そこでは１回で済むんだということでございます。今までのやつでありますと約20日以内ぶりに２回しなくちゃならないということではございますが、今度は１回で済む会社が出たんだということでもございますから、それによって感染が少なくなればいいものかなと思っているところでございます。ワクチンをしたからといって感染しないわけではございません。一般の風邪も同じですが、予防注射したからといって風邪にかからないということではないということでございますので、皆様方、注意をしながら議会活動に専念していただければなと思うものであります。

　　そしてまた、大変憂慮することではございましたが、小妻坂の火事においては１名が死亡したということで、２か月で去年の半分以上の火災件数が起きたとなっておりますので、皆様方共にそういうものに対しても注意をしていきたいものだなと思っているところでございます。

　　そしてまた、議会のあり方委員会というのを、私が前の議長をやって９年目でまた検討委員会をつくったものでございますが、それにつけてやはり住民の皆様方、そして議会が共に歩む議会というような格好で進んでいければなと思っているところでございます。

　　私は、常日頃から本当に小さな声を議会に持ち寄り、それを審議してどういうふうにしていけば議会としていいのかと、そういうふうな格好になれればと思うものであります。やはりそういう住民との接し方がなければ、議会として、議員個人としてではなくて議会としての接し方、そういうものにあって初めて住民の人たちから信用がある議会になるんだろうなと思っております。やはり自分の支持者から言われたからやると、それは誰しもが一番最初に簡単なことではございますが、住民の全体の意見を聞きながら、そこで議会として集約をして、そういうものに対して取り組んでいくと、そういう取り組み方が必要なのではないかなと思っておりますので、このあり方検討委員会がすばらしい３年間の成果であったと言われるようなあり方委員会になっていただければなと思うものであります。

　　今日から16日間、審査のほうよろしくお願いを申し上げ、挨拶に代えさせていただきます。

　　本日は大変ご苦労さまでございます。

　　会議再開に先立ち、本日は新型コロナウイルスの感染症予防のため、議場内でのマスク着用を認めます。

　　また、本日の傍聴につきましては、新型コロナウイルス感染症予防のため制限させていただきますので、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

　　本日３月１日は休会の日ですが、議事の都合により、特に令和３年蔵王町議会定例会３月会議を再開いたします。

　　これより本日の会議を開きます。

　　ただいまの出席議員は15名であります。定足数に達しておりますから、議会は成立いたしました。

　　本日の議事日程は、お手元に印刷配付のとおりであります。日程に従い議事を進めます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第１　会議録署名議員の指名

○議長（村山一夫君）　日程第１、会議録署名議員の指名を行います。

　　本日の会議録署名議員は、会議規則第125条の規定により、６番佐藤敏文君、７番齋藤英之君を指名いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第２　会議日程の決定

○議長（村山一夫君）　日程第２、会議日程の決定を議題といたします。

　　お諮りいたします。本定例会３月会議の日程につきましては、別途お手元に配付のとおり、議案等の審議の関係上、本日から16日までの16日間としたいと思いますが、これにご異議ありませんか。

　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長（村山一夫君）　ご異議ありませんので、本定例会３月会議は、本日から16日までの16日間とすることに決しました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第３　諸般の報告

○議長（村山一夫君）　日程第３、諸般の報告をいたします。

　　本定例会３月会議に町長から議案第３号から議案第27号までの25件が提出され、これを受理しておりますのでご報告いたします。

　　次に、教育委員会教育長から令和２年度蔵王町教育の基本方針に関する教育委員会点検・評価報告書の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

　　次に、本定例会３月会議に通告のありました代表質問については、代表質問通告書としてお手元に配付のとおりであります。

　　次に、代表監査委員から令和２年12月分及び令和３年１月分の例月出納検査結果の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

　　次に、大沼昌昭君から白石市外二町組合議会定例会の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

　　次に、村上一郎君から宮城県後期高齢者医療広域連合議会定例会の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

　　次に、教育民生常任委員会において所管事務調査を行いましたので、その調査結果報告についてはお手元に配付のとおり委員長から報告があります。

　　次に、お手元に配付する陳情書一覧表のとおり、意見書の提出等を求める１件の陳情書が提出され陳情第１号として受理しておりますが、陳情第１号については、議会運営先例基準第130項の規定により、陳情書の写しの配付をもって報告とし、お手元に配付のとおりであります。

　　次に、本定例会３月会議に説明委員として出席を求めた者の職氏名については、一覧表としてお手元に配付のとおりであります。

　　次に、町長から挨拶の申出がありましたので、これを許します。町長。

○町長（村上英人君）　皆さん、おはようございます。３月定例会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げさせていただきます。

　　まず初めに、2011年の福島県沖地震の被害状況について報告をさせていただきます。

　　先月の13日午後11時７分に発生いたしましたこの地震では、県内唯一震度６強の強い揺れを観測したにも関わらず、町内において人的被害がなかったことは幸いであったと感じております。

　　しかしながら、家屋等の被害が町内各地で発生している状況であります。先月16日から罹災及び被災証明書の受付を開始しており、２月26日の現在で、罹災では171件、被災では116件を受理しているところであります。罹災調査の判定として、一部損壊が122棟、準半壊７棟、半壊が３棟、調査中が39棟となっているところであります。被災された町民の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第であります。

　　次に、道路等の被害状況について、概算復旧費でありますが、農道５か所で70万3,000円、林道２か所で80万円、町道32か所で1,086万8,000円となり、合計39か所、1,237万1,000円であります。

　　次に、水道施設の被害状況については、町内７か所において配水管等に被害を受けており、その概算復旧費は2,620万円であります。

　　また、文化財においては、我妻家住宅の母屋と蔵の壁の崩壊等の被害を受けたことで約3,500万円の修復費用がかかる見込みであると教育委員会から報告を受けているところであります。

　　なお、今後の復旧に当たっては、補助事業及び起債事業を積極的に活用しながら、できるだけ速やかに実施してまいりたいと考えております。

　　また、被災者支援の一環として、先月18日から28日までふるさと文化会館敷地内に仮置場を設置し、地震によって発生した災害ごみの受入れを実施したほか、仙南リサイクルセンター及び仙南クリーンセンターへの災害ごみの搬入を無料化したところであります。仮置場の受入れの実績は、搬入件数が231件、推定で４万6,776キログラムの搬入がありました。今度の収集物は、瓦、ブロック、ガラス破片、陶器、木製家具を対象とさせていただいたものであります。

　　また、先月の24日でありますが、夕方、小妻坂区で住宅１棟が全焼し、さらに焼け跡からこの家に住んでいた男性の遺体が発見されたとのことであります。このことについては、私としても大変痛ましく残念な出来事であり、心からお悔やみを申し上げさせていただきます。

　　今後も空気が乾燥した時期が続くことから、引き続き関係機関と連絡を図りながら予防消防に努めてまいりたいと考えております。

　　さて、平成23年３月11日に発生いたしました沿岸部を中心に甚大な被害をもたらしました東日本大震災から、早いもので間もなく10年目を迎えようとしております。多くの犠牲者の方々に追悼の意を表するとともに震災の記憶を風化させることなく後世に語り継ごうと、宮城県は条例で３月11日をみやぎ鎮魂の日と定めているところであります。本町では、同日の午後２時46分に町内一斉にサイレンを鳴らし、町民の皆様と共に黙祷を捧げることにしております。

　　今後においては、今後における町の展望につきましては後ほど施政方針表明の中で詳しく述べたいと存じますが、今回、町の施策として一貫性を持って取り組むため、第五次蔵王町長期総合計画との整合性を図りつつ、新たに計画期間を令和３年度から令和９年度までの７年間とした第２期蔵王町まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定することで、地方創生の芽を確かなものとして地域の躍動を高めてまいりたいと思っております。

　　さらに、新型コロナウイルス感染症予防対策及び経済対策、人口減少と地域経済縮小の克服、子育て支援対策、防災・減災対策など、各種施策を積極的かつ継続的にしっかりと推進してまいりたいと意を新たにしているところであります。

　　今議会では、歳入歳出それぞれ60億5,000万円に及ぶ令和３年度一般会計当初予算や条例の制定及び一部改正、補正予算など議案第３号から第27号まで全25議案を提出させていただきました。

　　つきましては、全議案とも慎重審議の上、可決決定くださいますようお願いを申し上げますとともに、議員の皆様におかれましては、健康に留意され、町政発展のためになお一層のご活躍をされますことをご祈念申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。

○議長（村山一夫君）　以上で、諸般の報告を終わります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第４　行政報告

○議長（村山一夫君）　日程第４、行政報告を行います。

　　町長から行政報告の申出がありましたので、これを許します。町長。

○町長（村上英人君）　それでは、行政の報告をさせていただきます。

　　初めに、総務経済部門の行政についてご報告を申し上げます。

　　まず、「令和３年２月13日福島県沖を震源とする地震による被害等について」、ご報告を申し上げます。

　　先月13日、午後11時８分に発生いたしました地震は、本町において県内最大である震度６強の強い揺れとなったところであります。

　　すぐさま、私を本部長とし「蔵王町災害対策本部」を設置し、各課長に対し、被害の情報収集、避難所の開設、高齢者世帯など要援護者の安否確認等を指示したところであります。

　　さらに、14日の午前９時からは、各課における被害調査を踏まえ、住宅等に被害を受けた方々に対し被災・罹災証明の発行や災害ごみの処理等などについて、スピード感を持って対処すべく、自衛隊、国や県、警察、消防など各関係機関を交え、今後の対応を検討したところであります。

　　避難所については、14日の深夜０時26分、ふるさと文化会館に開設をいたしましたが、避難される方がないまま、同日の午前９時50分に閉鎖したところであります。

　　また、被災・罹災証明の発行については、先月16日から開始しており、災害ごみの受入れについては、18日から28日までの土日祝日を含めた期間で実施をしたところであります。

　　強い地震であったにも関わらず、町内における人的被害がなかったことは、町民の皆様が常日頃から東日本大震災の教訓を生かし備えてきた結果の表れであると感じているところであります。

　　本町では、被災のあった町道や公共施設等については、一刻も早く復旧できるよう取り組んでまいります。

　　次に、「災害廃棄物の処理に関する協定の締結について」、ご報告を申し上げます。

　　１月13日、本町では、廃棄物のリサイクルを中心に事業展開している株式会社ジェーエーシーと、災害によって発生した廃棄物の処理についての協定を締結したところであります。

　　近年、各地で猛威を振るう自然災害により、河川の氾濫や崖崩れなどが引き起こされ、家屋への浸水や土砂の流入といった被害が頻発している状況であります。令和元年度台風19号の際にも、処理ができないまま集積される災害廃棄物が日々増加し、集積場所の不足や異臭など衛生面の不安が各地で問題となったところであります。

　　協定の内容は、災害廃棄物の収集運搬や処分などの協力体制を構築するもので、今回の締結により、災害廃棄物の迅速な処理が期待できるものと考えております。

　　先ほどご報告申し上げました先月の地震で生じた災害ごみについても、この協定により速やかに受入れ体制を整えることができたところであり、今後も大規模災害に備え、万全の体制を備えながら安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

　　次に、「日本損害保険協会からの消防ポンプ車の寄贈について」、ご報告を申し上げます。

　　12月21日、本町では、一般社団法人日本災害保険協会から、小型動力ポンプ付き軽積載車１台の寄贈を受けたところであります。

　　協会では、毎年、防災事業の一環として全国の自治体や離島などに消防車を寄贈しており、今年度は、全国で15台のうちの１台が本町に送られたものであります。

　　この車両は、消防団内に今年度結成された「役場班」に配備したところであり、「役場班」に所属する職員は、火災などの際にこの車両の性能を発揮できるよう、操作訓練等を定期的に実施しているところであります。

　　次に、「丸森町への消防ポンプ車の寄贈について」、ご報告を申し上げます。

　　令和元年10月の台風19号によって、町内各地で甚大な被害のあった丸森町では、消防団の車両45台のうち５台が冠水する被害を受け、現在もいまだ被災前の保有台数が確保されていない状況であります。

　　そのため、本町では、先ほど報告いたしました日本損害保険協会からの寄贈があったこともあり、丸森町の消防体制づくりに協力できるよう、これまで「役場班」で使用していた小型動力ポンプ付き軽積載車１台を寄贈いたしました。

　　寄贈式は、１月29日に丸森町役場で行われ、保科町長から感謝の言葉をいただいたところであります。

　　本町では、台風直後、約３週間にわたって、延べ105名の応援職員を丸森町に派遣しており、今回の寄贈により、復興にさらなる貢献ができたものと思っております。

　　次に、「茨城県常陸大宮市との友好都市協定の締結について」、ご報告を申し上げます。

　　先月５日、本町は、常陸大宮市との「友好都市協定」を締結いたしました。

　　両市町は、それぞれがパラオ共和国と歴史的なつながりがあり、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会」におけるホストタウンとして「蔵王町・常陸大宮市東京オリパラ推進協議会」を設立し、パラオ共和国選手団事前キャンプの受入れをしてきたところであります。

　　そのほか、スポーツ少年団による相互交流の実施、常陸大宮市主催のパラオフェアにおける本町の特産品販売など、様々な交流を進めてきたところであります。

　　今回の協定によって、常陸大宮市は本町にとって初めての友好都市となり、鈴木市長と互いに大規模災害時などの自治体間の相互連携、相互応援の必要性を改めて確認したところであります。

　　この協定を新たな出発点として、両市町の絆がさらに深まり、これまでの交流で築かれた信頼関係の下、産業や観光、教育や文化など多面的な交流や連携を深め、共に誇れる郷土として発展するよう共に取り組んでまいります。

　　次に、「地域包括連携協定の締結について」、ご報告を申し上げます。

　　本町では、１月18日に、ヤマト運輸株式会社と「地域包括連携協定」を締結いたしたところであります。

　　今回の協定では、連携事項として、１つ「安全・安心な地域づくりに関すること」、１つ「災害対策に関すること」、１つ「地域の福祉に関すること」、１つ「地域の活性化に関すること」、１つ「産業振興に関すること」、１つ「その他住民サービスの向上や活性化に関すること」、６つの事項を掲げたところであります。

　　この協定締結を契機として、具体的には、子供や高齢者の見守り事業などを中心に、今後双方で協議を重ね、それぞれが持つ強みを生かしながら、より一層の地域活性化と町民サービスの向上に取り組んでまいりたいと思っております。

　　次に、「町道下別当１号線道路改良事業について」、ご報告を申し上げます。

　　現在、昨年10月に発注した改良工事１件を施工中でありますが、支障となる電柱の移転に予想以上の期間を要したため、工事が遅れております。完成予定を５月末と見込んでおります。

　　このため、本定例会に繰越明許費の議案を提出しておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

　　次に、「新型コロナウイルス感染症の影響による町税等の減免及び徴収猶予について」、ご報告を申し上げます。

　　本町では、減免条例の制定等を議会でお認めいただき、この感染症の影響によって収入が減少した世帯の保険税等を申請により減免できる制度を実施しているところであります。

　　その申請について、本年１月末現在での状況をご報告申し上げます。

　　まず、国民健康保険税の減免は、令和元年度分と令和２年度分で、13世帯178万3,100円であります。

　　次に、後期高齢者医療保険料の減免は、令和元年度分と令和２年度分で、４名19万600円であります。

　　また、介護保険料の減免は、令和元年度分と令和２年度分で、15名67万6,056円であります。

　　続いて、固定資産税の減免申請について申し上げます。

　　固定資産税については、感染症の影響により事業収入が減少した中小事業者等の事業用家屋と償却資産に係る税が減免対象となるものであります。

　　減免の割合は、前年の同期間と比較した事業収入の減少の程度によって変わるものであり、全額の減免申請をしている事業者が61事業者、２分の１の減免を申請している事業者が35事業者、合計で96事業者から申請が提出されているところであります。

　　この税の減免は、来年度（令和３年度）課税部分が対象となる特例措置であるため、現時点でその額は確定しておりませんが、今年度（令和２年度）の課税ベースでは、約4,800万円になるものと推計されているところであります。

　　次に、町税の徴収猶予の申請状況をご報告申し上げます。

　　徴収猶予については、感染症の影響によって、前年の同期間と比較して収入が20％以上減少している方が対象となるものであります。

　　徴収猶予申請書を提出した納税者は、個人と法人を合わせて16名で、猶予申請額は合計で2,909万6,300円であります。

　　本町では、新型コロナウイルス感染症によって収入が大きく落ち込んだ納税者等への支援を図りながら、適正かつ公平な賦課徴収を進めてまいります。

　　次に、「今季における冬の観光客の状況について」、ご報告を申し上げます。

　　今シーズン、町内２か所のスキー場は、12月から降雪に恵まれ、多くの方々にご来場いただいているところであります。

　　町内のスキー場では、クリスマスの時期からの十分な積雪は実に６年ぶりのことであり、屋内外とも感染症対策を講じながら営業し、雪を望んでいた多くのスキーヤーを迎えております。

　　先月13日には、えぼしリゾートにおいて、冬の風物詩である「えぼし雪上花火大会」が開催され、約1,000発の花火が冬の夜空にきらめき、スキーヤーのほか、多くの町民に楽しんでいただいたところであります。

　　また、樹氷は、まさにスノーモンスターの名にふさわしく例年にない大きさにまで成長しており、雄大で幻想的な絶景は多くの観光客を魅了しているところであります。

　　一方、飲食店や宿泊施設においては、新型コロナ第３波の影響からＧｏＴｏキャンペーンが停止されたことによって、一部の宿泊施設において、平日は休業せざるを得ないほど大幅に観光客数が落ち込んでいる状況であります。

　　この状況を受け、本町では、観光物産協会を通して、宿泊施設とスキー客をつなぐ「１日リフト券パック」や「とおがった温泉ざおうさま割引券」発行事業など誘客対策を行っているところであり、今後は、状況を見極めながら段階的に誘客範囲を拡大し、観光の町としてのにぎわいを取り戻せるよう努めてまいります。

　　次に、「蔵王町フレーム切手の販売開始について」、ご報告を申し上げます。

　　12月７日、日本郵便株式会社では、蔵王町フレーム切手「蔵王の絶景と高山植物」の販売を県南４市９町の郵便局で開始をしたところであります。

　　切手の図柄には、四季の絶景やコマクサなどの高山植物が採用され、切手を通じて蔵王の魅力を発信するものとなっております。

　　販売開始に合わせ、本町では、この切手シートを宿泊施設応援事業の宿泊特典として活用させていただき、大変好評を得たところであります。

　　次に、教育民生部門の行政について、ご報告を申し上げます。

　　まず、「新年度の蔵王病院の診療体制について」、ご報告を申し上げます。

　　蔵王病院は、今年度末をもって酒井院長が退任することから、医師の確保が喫緊の課題となっておりましたが、昨年末に東北大学病院消化器内科の協力を得て、その後任として、伊妻荘晃先生、内科医であります。今までは、蔵王病院は約40年にわたって東北大の第１外科から院長ポストに来ていただいたんですが、いろいろな東北大と話合いしながら、もう外科は蔵王病院としては必要ないんじゃないかと、周辺の中核、あとは刈田病院が大分受け入れし出し、また手術対応もできるということで、東北大の第３内科の教授と話合いをしながら、この内科を今度院長ポストとして、内科医である現在登米市民病院の副院長が４月１日から着任するところであります。

　　また、先月の初めには、県からの派遣医師として淺山ゆき乃先生でありますが、この方も内科医であります、現在、本吉病院の勤務の、着任が内示されたところであります。この先生については、自治医大出身であります。

　　このことによりまして、４月から常勤の内科医師２名によりまして外来診療や入院診療、そして特に訪問診療に力を入れながら継続できることをしてまいりたいと思っています。現在でありますが、新型コロナウイルスワクチンの集団接種に向けまして、医師を派遣できる体制整備に取り組んでいるところであります。

　　次に、「新型コロナワクチンの接種推進体制について」、ご報告を申し上げます。

　　新型コロナウイルス感染症が拡大する中、町民への迅速かつ適切なワクチン接種を進めるため、２月１日付で「新型コロナウイルスワクチン接種推進室」を保健福祉課内に設置し、課長補佐級の室長のほか、保健師１名を含む計６名に兼務辞令を交付いたしました。

　　町民へのワクチン接種については、現時点では、ふるさと文化会館を会場とした集団接種を基本に考えております。蔵王病院の医師を中心に、蔵王町医談会の先生方からのご協力をいただきながら、接種体制を構築してまいります。

　　今回のワクチン接種は、国を挙げての一大事業であります。本町でも、接種率を高めるため、土曜日の接種日程を設けるほか、マイクロバス等での送迎を行うなど町民にとって接種を受けやすい体制を整えていくことにより、感染症の拡大防止及び重症化の予防に取り組んでまいります。

　　なお、12月末に、各自治体は早急にワクチン接種体制を整えるよう国から通知があり、本町では、健康管理システム改修やコールセンター業務などについて予備費を充用により準備を進めておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

　　次に、「新型コロナウイルス感染症予防対策支援物資の寄贈について」、ご報告を申し上げます。

　　この件につきましては、６月会議から報告をしてまいりましたので、今回は12月会議の後に受贈したものについて、加えて報告をするものであります。

　　まず、12月14日、佐藤　譲様、新町区の方でありますが、足踏み式消毒液スタンド11台を寄贈していただきました。このスタンドは佐藤様が１台１台手作りしたもので、町内の小中学校と役場庁舎に設置し、活用させていただいているところであります。

　　また、１月26日、株式会社おてんとさんより、不織布マスク３万枚を寄贈していただいたところであります。このマスクは、災害用備蓄品として有効に活用させていただきます。

　　ご寄贈いただきました皆様に、心から敬意と感謝を申し上げます。

　　次に、「地域包括ケア推進講演会及びこころの健康づくり講演会について」、ご報告を申し上げます。

　　１月28日、ふるさと文化会館を会場に、長野県諏訪中央病院名誉院長であり作家でもある鎌田　實先生による「がんばらないけどあきらめない」と題した地域包括ケア推進講演会を開催したところであります。コロナ禍による自粛生活の中でのフレイル、身体虚弱でありますが、予防等について、実践を交えながら、笑いあり涙ありの大変すばらしい講演をしていただいたところであります。

　　感染防止のため、入場者数を制限しての開催となりましたが、多くの方々の来場があり、講演会後のアンケート調査の結果では、85％の方から「大変満足」「満足」との高い評価をいただいたところであります。

　　先生、とても久しぶりに蔵王に、スキーも好きで温泉も好きなのでぜひまた呼んでいただきたいということでありますし、来年もちょっと考えていきたいと思っています。

　　また、２月11日でありますが、自殺対策の一環として、「思春期のこころの変化〜若者を取り巻く現在〜」と題し、こころの健康づくり講演会を開催いたしました。講師の岩室紳也先生は、泌尿器科の診療の傍ら、若者の相談に耳を傾ける活動をされており、「望まない妊娠」「いじめ」「ひきこもり」「ＳＮＳ問題」等、今、この国で現実に起こっている社会全体の問題を深く掘り下げた、示唆に富んだ内容のご講演をいただいたところであります。

　　今後も、町民の健康で生きがいのある生活の実現のため、講演会を積極的に開催するなどしながら、地域全体の健康づくりを支援してまいりたいと思っております。

　　以上申し上げまして、行政報告とさせていただきます。

○議長（村山一夫君）　以上で、行政報告を終わります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第５　常任委員会調査報告

○議長（村山一夫君）　日程第５、常任委員会調査報告を議題といたします。

　　教育民生常任委員会において所管事務調査を行いましたので、その調査結果について委員長から報告願います。

　　10番三沢　茂君。

　　　　　〔10番　三沢　茂君　登壇〕

○10番（三沢　茂君）　それでは、委員会調査の結果報告をいたします。

令和３年２月５日

　　蔵王町議会議長　村　山　一　夫　殿

教育民生常任委員会　　　　

委員長　三　沢　　　茂　　

委員会調査結果報告

　　　令和３年議会の休会中の所管事務調査を終えたので、その結果を次のとおり報告します。

記

　　１．調査事件　　環境政策の現状と今後の取り組みに関する調査

　　２．調査期日　　令和３年１月２６日（火）

　　３．出席者　　委員長　　三　沢　　　茂　　　　副委員長　　村　上　一　郎

　　　　　　　　　　委　　員　　松　�ｱ　良　一　　　　委　　員　　加　川　　　敦

　　　　　　　　　　委　　員　　平　間　徹　也　　　　委　　員　　葛　西　　　清

　　　　　　　　　　委　　員　　馬　場　勝　彦

　　　　　　委員外　議　　長　　村　山　一　夫

　　４．職務のため出席した者

　　　　　　　　　　事務局長　　鈴　木　　　賢　　事務局長補佐　　佐　藤　孝　志

　　５．説明のため出席した者

　　　　　　　　　　環境政策課　　課長　　宮　澤　一　弘

　　　　　　　　　　　　同　　　　課長補佐　　佐　藤　民　子

　　６．調査結果

　　　環境政策課長等の出席を求め、「環境政策の現状と今後の取り組みに関する調査」を行い、環境基本計画における環境指標の達成状況、住宅用太陽光発電システム設置補助金による設置実績と効果、みやぎ環境交付金事業の事業実績と今後の事業計画、民間資本による再生可能エネルギー普及・促進の現状などについての詳細説明と、それらに対する委員による質疑により調査を行った。

　　　その調査結果及び内容は別紙のとおりである。

　　　なお、現地調査確認については、民間資本による再生可能エネルギー事業である向山地区の太陽光発電施設２カ所の調査を実施した

　　７．委員会の意見

　　�@　環境基本計画の推進体制について、町、町民、事業者などが将来の蔵王町の環境保全及び創造に対しての役割を認識し、それぞれ連携・協働して、施策や環境負荷の少ない行動が実施されるよう、庁内に設置している「蔵王町環境政策検討委員会」において、「環境指標」の点検、評価や検証、関連事業の調整をするなど、全庁的な合意形成を図りながら計画を推進するべきである。

　　�A　住宅用太陽光発電システム設置補助金について、平成23年度の制度開始から10年が経過し、再生可能エネルギー固定価格買取制度による売電価格の下落の影響もあり、当該制度を利用したシステム設置件数は年々減少傾向が続いている状況である。補助金交付要綱が令和３年度末で失効となることから、省エネルギーや再生可能エネルギーの普及促進のための新たな政策を構築するなどして、環境への負荷の低減の推進に努めるべきである。

　　�B　みやぎ環境交付金事業について、平成23年以降、小中学校や幼稚園、児童館など公共施設の室内照明灯を環境配慮型照明機器に交換するなど、ＣＯ２の削減に一定の効果を得たところである。今後は、二酸化炭素の排出抑制につながる再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギー対策を中心に、低炭素社会構築に向けた町民への普及啓発、町民参加の自然環境保全活動支援など、ハード整備及びソフト事業に大いに活用すべきである。

　　以上、委員会調査の結果報告といたします。

○議長（村山一夫君）　以上で、常任委員会調査報告を終わります。

　　ここで10分間休憩いたします。

　　　　　午前１０時４８分　休憩

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　午前１０時５９分　再開

○議長（村山一夫君）　再開いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第６　町長の施政方針表明

○議長（村山一夫君）　日程第６、町長の施政方針表明を行います。町長、登壇願います。

　　　　　〔町長　村上英人君　登壇〕

○町長（村上英人君）　それでは、令和３年度に当たっての施政方針を述べさせていただきます。

　　本日、ここに令和３年蔵王町議会定例会３月会議が開催され、令和３年度一般会計予算をはじめとする関係諸議案をご審議いただくに当たり、私の町政運営に対する基本方針と概要を申し述べ、町民の皆様並びに議員の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

　　間もなく、東日本大震災から10年の「３月11日」を迎えようとしております。

　　改めて、犠牲になられた多くの皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

　　私は、昨年９月、蔵王町長として当選させていただき、就任以来５期17年目に入り、今般の令和３年度当初予算を編成し、定例会３月会議を迎えております。

　　町政をあずかる立場として、町民の皆様の負託に応え、町の発展、町民福祉の向上に向けて、なお一層の努力をしていきたいと決意を新たにしているところであります。

　　本町の第五次長期総合計画に基づき優先的に取り組む重点戦略をはじめ、行政各般にわたり計画的な行政運営を展開していく所存であります。

　　昨年１月に、日本国内で初めて感染が確認された新型コロナウイルスは、今なお収束の見通しが立たず、その感染力の強さから全世界が医療逼迫や経済混乱の渦中にあります。

　　このような中、製薬会社であるアメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社が共同開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、２月中旬に厚生労働省は国内で使用を正式に承認しており、早期の予防接種に向け、各自治体は体制整備に努めているところであります。

　　さて、内閣が１月に発表した経済報告によれば、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きがみられる」と判断されております。

　　しかしながら、１月には関東圏をはじめとする11都道府県に緊急事態宣言が再発令され、さらに10都道府県ではその期間が延長されるなどの影響により、店舗の閉店や倒産、また失業者の増加も後を絶たない状況であります。

　　国政では、昨年９月に歴代最長在任日数を務めた安倍首相の辞任により、菅内閣が発足し、１月18日に召集された第204回通常国会での菅首相の施政方針演説では、「新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させる」ことを第一に語られました。新しい生活様式が実践される中、今、全国民が一番に願うところであります。

　　また、近年の豪雨災害や大雪による災害など、災害発生時には「万全な対応速やかに行う」よう、防災・減災、国土強靭化もしっかりと進めていく考えが示されたところであります。

　　そして、農林水産業については、地域をリードする成長産業とすべく改革すると述べられました。

　　このような国の政策が確実に進められ、町民生活においても、いち早く安心して安定した生活を送ることができるよう期待しているところであります。

　　昨年11月に、私の所信表明をお話しさせていただきました。この後、新年度における私の町政運営に対する基本方針と概要を申し上げますが、基本路線はぶれることなく進めてまいります。

　　なお、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が今後行われ、一刻も早い収束を願うところでありますが、状況次第では、開催を予定しているイベント等々の延期、中止や施策の変更が余儀なくされる可能性があることをあらかじめご理解賜りたいと思っております。

　　本町のまちづくりの指針である第五次長期総合計画は、前期基本計画５年間のうち、３年間が経過しようとしております。本計画の推進に当たっては、「町民が主役・地域が主体のまちづくり」を進めるとともに、社会情勢や将来の目指すべき本町の姿を踏まえながら、町民と行政と一体となって、よりよいまちづくりのために取り組んでいかなければなりません。

　　このため、庁内各部署の取組実績を１年ごとに企画審議会に報告し、外部評価やご意見をいただきながら各種施策の推進や数値目標の達成に向かって取り組んでまいります。

　　本町のまちづくりでは、長期総合計画に３つの重点戦略を掲げておりますので、新年度はそれぞれの戦略項目ごとに次のような事業を進めてまいります。

　　重点戦略の１つ目、「ずっと住み続けたい快適な環境づくり」では、教育環境の充実と国際化に対応した「人」づくりや快適なまちづくりを目指してまいります。

　　まず、教育環境の充実でありますが、統合中学校の建設事業については、本年度において施設整備基本計画がまとまりましたので、本日の本会議散会後の議員全員協議会でご説明させていただきます。

　　令和３年度において、基本設計・実施設計業務を進め、「小中学校再編実施計画策定委員会」での答申を受けた内容を踏まえ、着実に統合中学校建設に向け事業を進めてまいります。

　　次に、英語教育であります。国際化に対応した「人」づくりについては、本町は、平成29年12月に文部科学省から英語教育特区の指定を受け、先行して小学校全学年での英語教育を推進するとともに、保育所や幼稚園においても、英語に親しみ積極的に英語を話すことができるような環境づくりを進めてまいりました。

　　本町の学校教育の重点施策として「ざおうグローカル５」を掲げ、学力向上や人間関係づくり、地域との協働による防災・安全活動を継続的に展開して、国際的な視野（グローバル）と地域を大切にする心（ローカル）が身に付くよう、引き続き子供たちの育成に努めてまいります。また、令和３年度においては、ＩＣＴ（情報通信技術）教育を新たに取り入れるなど、時代に即した学力の向上に努めます。

　　国際交流の推進では、新型コロナウイルス感染症の拡大により１年延長となった東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、予定どおりであれば７月23日に開会式を迎えることとなります。本町は、パラオ共和国のホストタウンとして、これまで茨城県常陸大宮市と連携しながら、同国出場選手の事前キャンプ受入れや地元住民との交流事業などを実施してまいりました。菅首相は、施政方針演説で「人類がコロナに打ち勝った証しとして」開催への意志を見せております。

　　現在の状況から今後の展開を推測することは大変困難でありますが、これを機に町民の一層の国際理解やスポーツへの関心を高めながら、東京オリンピック終了後もレガシーとして有意義な交流が継続できるように取り組んでまいります。

　　また、パラオ共和国と本町の「子ども国際交流事業」では、平成31年１月にパラオ共和国からの生徒を本町に受け入れ、同年８月には本町から中学生を派遣したところであります。令和２年度の交流事業は、新型コロナウイルス感染症の影響によりかないませんでしたが、引き続き相互交流を進めていくことをパラオ共和国教育省と確認し合ったところであります。

　　これまでの実績から、双方の生徒や引率者から互いの歴史や文化に触れ、普段の生活では得られない貴重な体験ができて充実した国際交流事業との評価を得ておりますので、事業を継続しパラオとのさらなる友好関係の構築を図りながら、互いに英語でコミュニケーションが取れるように英語教育の充実にもつなげてまいります。

　　移住定住の促進では、平成30年７月に創設した「定住促進事業補助金」制度の活用がこの３年間で84件に上り、うち町外からの移住が31件という実績であります。今後も別荘協議会との連携を図り、町外転出の抑止と人口増加策の１つとして、パソコンを使ったオンライン相談の実施や「移住定住ガイドブック」による本町の役立つ各種情報を町ホームページで発信するほか、東京都内のふるさと回帰支援センターとの連携強化などにより、人口増加対策を推進してまいります。

　　地域公共交通対策では、全国的に路線バスの利用者が減少し、これは本町においても例外ではなく路線の維持確保が困難になってきていることから、将来にわたって交通弱者等の移動手段を確保するため、地域交通の調査を進めてまいります。令和３年度では地域交通会議を開催し、地域公共交通整備計画として町内の公共交通の在り方を打ち出してまいります。

　　空き家対策では、蔵王町空家等対策計画に基づき、空家等対策協議会で協議を重ねながら、危険性のある空き家の対策や所有者の意向に基づく空き家の有効活用などを進めてまいります。

　　安全で快適な道路整備の推進では、町道下別当１号線道路改良事業が令和３年度末で完了の見込みであります。また、蔵王山の火山活動が活発化した場合等の避難路整備として平成29年度から実施した林道青麻山線舗装事業は、昨年11月に完成しております。

　　橋梁については、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、調査点検、予防修繕を引き続き行い、災害に強い道路網の整備を進めてまいります。

　　次に、重点戦略の２つ目、「愛にあふれるふるさとづくり」では、町民が愛情あふれる笑顔に満ちた家庭を築くことや、町に誇りと愛着が持てる「ふるさとづくり」を目指してまいります。

　　まず、子育てしやすい環境整備については、増加する待機児童の解消等を図るため、昨年４月から保育所は０歳児から２歳児までの保育に特化し、幼稚園は３歳児から５歳児までを受け入れる３年保育体制とし、４月時点で待機児童ゼロを実現するとともに、幼稚園では子供同士の関わり合いから育ち合いが生まれるなど、教育上の課題も解消できたと考えているところであります。

　　認定こども園につきましては、今後、「認定こども園整備計画検討委員会」を立ち上げ、町民の意見等を伺いながら、整備に向けて道筋をつけてまいります。

　　次に、子育て家庭の支援では、子ども医療費助成制度やインフルエンザ予防接種助成、あったか支援金制度やすこやか養育助成制度などの町独自施策を継続し、子育て家庭を経済的に支援しながら、子供たちの健やかな成長を促してまいります。

　　個性ある地域づくり、そしてふるさとに誇りと愛着を持つための支援策として、今年度創設しました「まちづくり交付金事業」により、地域のコミュニティーづくりや活性化、地域の課題解決等のために、地域住民が主体的に取り組む活動を支援してまいります。

　　次に、重点戦略の３つ目、「オンリーワンな魅力づくり」では、蔵王町の雄大な自然や多種多様な産業を誇りとして町独自の魅力を磨き上げ、オンリーワンな魅力あるまちづくりを目指してまいります。

　　まず、多面的な農業の振興では、町特産品の蔵王ブランド化を進めるとともに、農業と観光のさらなる連携強化を図り、農産物の地域内消費拡大と収入の確保対策に取り組んでまいります。

　　農業後継者不足の課題に対しては、国の補助制度に加え、町独自の補助制度を継続しながら新規就農者の確保に努め新たな担い手として育成することで、本町の農業振興を図ってまいります。また、「地域おこし協力隊」についても、しっかりとした導入基盤を確立し活用することによって、より地域が活性化するよう進めてまいります。

　　また、本町に対するふるさと応援寄附金が５億円を超える状況となっているため、その返礼品に町内生産物のなお一層の活用や、新たに宿泊券、体験型の返礼品を商品化することなどを積極的に進め、町特産品のＰＲや地場産業の活性化と地域内経済の循環につなげてまいります。

　　「道の駅」設置の会議については、現在、蔵王町道の駅設置検討委員会を立ち上げ、先進地視察と道の駅設置のコンセプト検討に入ったところであります。今後は、設置場所、施設の規模・機能、整備手法、財源の確保などを調査検討し、令和３年度末までにその方向性を見出していくことにしております。

　　次に、観光分野では、これまで観光まちづくりの強化のために国内観光客及びインバウンドの誘致を推進してまいりました。しかしながら、現在の新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、国内外の誘客が非常に厳しい状況にあり、残念に思うところであります。

　　このような中でありますが、「蔵王エコーライン雪の壁ウォーク」は年々認知度もアップしてきており、感染症対策を充分に行った上で実施してまいります。

　　また、県道岩沼蔵王線の志賀姥ケ懐トンネル開通によって、仙台空港や県内沿岸部からアクセスが向上しておりますので、遠刈田温泉を中心にさらなる観光客誘致に向け、ＰＲと受入れ体制の充実を図ってまいります。

　　新型コロナウイルス感染症予防体制に万全を尽くし、状況を見極めながらマイクロツーリズムの推進に努め、蔵王町の観光の一層の振興を図り、県内、東北、全国、海外へと徐々に誘客範囲を拡大し、地域のにぎわいを早く取り戻したいと考えております。

　　以上、申し上げました３つの重点戦略は、町の未来像の実現に向けて他の事業を牽引する先導的な施策として重点的に進めてまいります。

　　次に、防災・減災対策について申し上げます。

　　冒頭でも申し上げましたが、間もなく東日本大震災から10年目の「3.11」を迎えようとしております。宮城県は、発災から復興を達成する期間をおおむね10年間とし、今年度が、平成30年度から３年間の発展期の最終年度を迎えたところであります。

　　全国から津波被災自治体へ多くの応援職員が派遣され、本町としても、山元町、南三陸町、女川町へ７年間にわたり６名の職員を派遣し、復興を支援してきたところであります。

　　このようなことから、計画の進捗はおおむね順調に推移してきたと評価される一方、回復途中にある産業の再構築や東京電力福島第一発電所事故への対応、震災の教訓の伝承など、令和３年度以降も引き続き取り組む必要があるとされております。

　　私たちは、被災された皆様が一日でも早く元の生活に戻ることを願うところであります。

　　昨年は、熊本県を中心に九州や中部地方などで記録的な降水量となり「特定非常災害」に指定された「７月豪雨」や台風10号による災害、また各地での強い地震発生など、自然災害の多い１年でありました。私は、災害が発生しても町民の安全・安心を確保し、生命と財産を守ることが自治体の最も重要な責務であると日々考えているところであります。

　　災害発生時においては、町民はもちろん、外国人も含めた観光客や登山客の安全対策、避難対策の充実も求められており、さらに近年では想定外の災害が多発していることから、「蔵王町地域防災計画」を全面的に見直したところであります。加えて、新年度から専門的知識を有する「消防防災指導員」を配置し、各種防災マニュアルを整備してまいります。

　　また、有事の際には、エリアメール・緊急速報メール等により警戒範囲や防災対応をいち早くお知らせするとともに、避難計画に基づく具体的な行動計画の確立と避難計画の充実強化に取り組んでまいります。

　　蔵王山の火山防災対策では、蔵王山頂までの恒久電源確保を目的とした電源ケーブル及び通信ケーブルなどの情報通信網の整備が国直轄で実施されております。これが完成すれば、山頂付近の24時間365日を通し監視体制が行われることから、火山の防災体制が飛躍的に向上するものと大きな期待を寄せております。

　　安全・安心な環境づくりでは、令和元年度に円田・平沢両地区への防災サイレン・スピーカー整備を実施し、遠刈田、永野、宮地区を含めて町内８か所の整備が完了しております。有事の際には、役場庁舎からの遠隔操作でいち早く地域住民に防災情報を発信してまいります。

　　また、現在、県が整備を進めている松川流路工整備事業については、「蔵王山噴火対策砂防計画」により令和６年度までの完了を目指して順調に進められております。事業効果として、融雪型火山泥流による松川の氾濫範囲の解消が期待されるところであります。今後も国・県と連携しながら、事業の早期完了に努めてまいります。

　　このほか、令和元年10月に本町で開催予定でありました2019火山砂防フォーラムは、台風19号の影響で令和２年５月に延期となりましたが、これも新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました。

　　令和４年度に、再度、この火山砂防フォーラムを蔵王の地で開催するよう現在調整しており、事業を通して地域防災力の向上や住民の防災意識の高揚を図るとともに、本町の防災・減災の取組、また観光情報などを全国に発信してまいります。

　　次に、令和３年度以降の本町の財政運営について申し上げます。

　　昨年の議会９月会議の令和元年度における決算審査でも申し上げましたとおり、本町の財政状況は、財政健全化法に定める「実質公債費比率、将来負担比率」などの指標や、地方債現在高の状況などを見ますと、おおむね健全財政を維持できていると実感しております。

　　しかしながら、基金でありますが、特に財政調整基金は、令和元年度当初予算における財政調整のための繰出しと、公共下水道事業特別会計の公営企業法適用による会計制度の移行に伴う多額の繰出しにより、元年度末では約２億9,000円の残高となったところであります。

　　私としては、財政調整基金は、大規模災害時の際の速やかな復旧予算の財源として活用できる重要な基金であることから、本町では最低でも５億円は必要であると考えております。行財政改革に取り組み、この目標に向け財政運営を進めてまいります。

　　令和３年度当初予算でありますが、歳入における町税は、新型コロナウイルス感染症の影響により前年度より減額を見込んでおります。一方、地方交付税においては増額を見込んだところでありますが、今後、少子高齢化や人口減少に伴う生産年齢人口の減少等が進めば、町税や地方交付税などが減少していくと見込まれます。

　　また、歳出では、高齢化に伴う社会保障関係経費の増加やシルバー人材センターの設置に加え、統合中学校建設が控えております。また、この先には認定こども園設置事業や老朽化した公共施設・インフラの修繕や更新需要の増大も見込まれるところであります。

　　加えて、白石市外二町組合の刈田綜合病院については、みやぎ県南中核病院と共に国から病院機能の再編・統合に係る重点支援区域に認定される中、管理者である山田白石市長の一方的な公設民営化への転換発言・行動が取り沙汰され、病院スタッフをはじめ患者や地域住民は不安に駆られております。

　　こうした中でありますが、管理者の山田白石市長が２月３日の病院議会で副管理者と十分な協議もないまま突然組合解散を発表するなど、一部事務組合としての存続が危機的な状況にあると考えているところであり、今後、精算に伴う多額の歳出も想定されます。

　　これらのことを考え合わせると、本町の財政構造の硬直化が進んでいくのではないかと危惧をしているところであります。

　　財政健全化に向けては、今後とも町が自立して行政サービスを持続していけるよう行財政改革に取り組んでいかなければなりません。歳入では、町税、補助金、交付金、寄附金などの財源をできるだけ確保するとともに、歳出では、執行する事業の取捨選択を厳しく行いながら、必要最小限の費用で最大の効果が出るよう努力をしてまいります。

　　次に、新年度における主な事業のうち、重点戦略に掲げた以外の需要について、第五次長期総合計画に掲げる「まちづくりの基本方針」ごとにご説明いたします。

　　まず、「健やかなまちづくり」であります。

　　全ての町民が健康的で生きがいのある生活を送れるよう、保健・医療・福祉の充実を図ってまいります。

　　最初に、新型コロナウイルスワクチンの接種であります。２月１日付で「新型コロナウイルスワクチン接種推進室」を設置し、６名の職員体制で今後のワクチン接種に対応してまいります。蔵王病院を中心として、蔵王町医談会の先生方からも全面的に協力をいただけることになりましたので、町民の感染拡大防止のため、しっかり対処し、接種率の向上に努めてまいります。

　　蔵王病院については、今月末で酒井院長が退職されますが、４月から新院長を迎え、常勤医師２名の体制を執れることとなりましたので、安心できる地域医療を引き続き維持してまいります。

　　町民の健康づくりと疾病の早期発見のため、各種健康診査やがん検診等を継続するとともに、受診等の結果に対する生活習慣病予防などの事後指導を充実強化し、自ら健康管理できる町民の底辺拡大を目指してまいります。

　　地域医療の充実に向けては、医師会、歯科医師会などの協力を得ながら、休日・夜間でも安心して診察や救急医療が受けられる体制を維持してまいります。

　　妊婦と胎児の健やかな成長・出産の支援では、妊婦の健康診査14回分（多胎妊娠者は６回分追加）の費用助成や妊婦歯科健診費用の助成、出産後に支援が必要な状況になった母子が産後ケア事業を利用した場合の費用の一部助成や、新たに産婦健康診査を実施するなど、よりきめ細やかな支援を行ってまいります。

　　また、感染症予防事業として、成人男性の風疹や高齢者のインフルエンザ・肺炎球菌感染症予防接種を実施し、重症化を予防してまいります。

　　子育て支援では、「第２期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、各種施策を推進いたしますが、子育て支援センターを拠点として、在宅の未就学児を持つ保護者を中心に育児相談・指導などの支援を行うとともに、放課後の児童の居場所となる放課後児童クラブを小学校区ごとに運営してまいります。また、スマートフォンの母子手帳アプリ配信サービス活用により、予防接種のスケジュール管理や健診・育児講習会の日程など、きめ細やかな情報を提供して子育て世帯を支援してまいります。

　　高齢者の福祉施策については、配食サービス事業、介護用品給付事業、介護予防活動などを継続するほか、介護保険特別会計に対して事務費や介護保険給付費等の法定繰出しを行い、各種サービスの提供に努めてまいります。

　　また、シルバー人材センターについては、将来的な広域連携によるシルバー人材センター設立に向け、昨年４月からシルバー人材センター準備室を設置し、令和３年10月からの事業開始を目指し、高齢者の生きがいづくりと社会参加を促してまいります。

　　障害者の福祉施策については、身体・知的・精神障害のある方が、各種障害福祉サービスや訓練等を行った場合の給付や、自立支援医療費の給付、補装具の購入・修理に対する給付などのほか、精神障害者の社会復帰を促す「ゆったりサロン」事業や人工透析患者の通院交通費助成などを継続してまいります。

　　次に、「学び楽しむまちづくり」であります。

　　子供たちが地域に愛着と誇りを持ち続け、時代の変化に対応できる「生きる力」を育てる教育の充実を図るため、家庭・地域・学校が連携して進めてまいります。

　　本町では、令和元年度から取り組んでいる「子どもの心のケアハウス支援事業」を継続し、不登校の児童生徒及びその保護者に対する専門スタッフの教育相談や生活、学習指導を行い、心の問題の改善と自立を図ってまいります。

　　学力向上のための取組では、学び支援コーディネーターによる学習支援、学校図書支援員による学校図書室機能の充実などを継続するほか、昨年11月に本町と東北工業大学及び仙台城南高校の３者間で、ＩＣＴ教育等の推進を主として包括連携協定を締結したところであります。今後とも、児童生徒の豊かな心の育成や新時代に求められる学力向上を図ってまいります。

　　また、普通学級に在籍する個別支援が必要な児童生徒については、特別支援教育支援員の配置の継続により、一人一人のニーズを把握した適切な指導と支援に努めてまいります。

　　学校施設整備では、学校の長寿命化を図るため、「蔵王町学校施設長寿命化計画」に基づき、宮小学校の屋上防水等改修工事を行う計画であります。

　　安全確保対策では、学校と23行政区が協働して合同防災訓練を継続実施し、防災・安全意識の高揚に努めてまいります。

　　生涯学習分野では、学校・家庭・地域が協働して子供たちを育てる「地域学校協働活動推進事業」（ざおうっ子応援団による活動支援）を継続してまいります。

　　文化会館自主公演事業では、英語教育推進と連携した「イングリッシュ・シネマ」や小学校を訪問する音楽アウトリーチ事業、仙台フィルハーモニー管弦楽団の小編成によるコンサート、巨大絵画展事業などを計画しております。

　　文化財保護分野では、「白九頭龍古墳（曲竹北区）」の保存対策や県指定文化財「丈六阿弥陀如来像（平沢）」の保存対策事業に取り組んでまいります。また、第100回目を迎える小野さつき訓導の遺徳の伝承については、実行委員会を組織し、記念追悼事業を実施してまいりました。

　　社会体育分野では、町民の各種スポーツ活動や大会の開催を支援するほか、三遊亭円楽杯ゲートボール交流大会や日本の蔵王ヒルクライム大会の開催、ざおうさまＣＵＰストライダー大会の開催などにより、スポーツを通じて交流人口・関係人口の増加を図ってまいります。

　　次に、「美しい快適なまちづくり」であります。

　　定住環境の充実を図るとともに、景観に配慮した美しい快適なまちづくりを目指してまいります。

　　地球環境にも配慮した循環型地域社会の形成を目指し、住宅用太陽光発電システム設置に対する補助や合併処理浄化槽設置に対する補助を継続するほか、町営住宅の経年劣化している階段灯をＬＥＤ照明に改修をしてまいります。

　　また、蔵王の自然景観の保全やジオパーク構想について、新たに予算化項目として「ジオパーク推進費」を設けたところであります。このジオパーク推進については、宮城県から自然環境の保全や環境教育の面から見てもモデル的な内容であると高く評価され、みやぎ環境交付金の市町村提案型において、1,000万円の交付内示を受けたところであります。令和５年度を認定申請の目標年次として取り組み、蔵王のすばらしい自然環境をＰＲしてまいります。

　　道路等の整備では、町道下別当１号線や湯口線の改良工事、桜町線の歩道設置工事、円田永野線等の舗装補修工事や町道等の局部維持補修を行います。また、県が施工する下八山線架け替え事業の費用負担を行って拡幅改良するほか、道路橋８か所の点検を行うなど、安全・安心な道路や橋の確保に努めてまいります。

　　次に、公営企業になりますが、水道事業では、令和元年度に策定した水道事業施設更新計画により、町道東根線や県道白石上山線の水道管布設替工事を進めてまいります。また、下水道事業では、マンホールポンプ場の補修工事等を行い、快適な生活環境の維持に努めてまいります。

　　家庭ごみやし尿等の処理、斎苑の利用については、仙南地域広域行政事務組合に負担金を支出し、共同処理を行ってまいります。

　　次に、「活気あるまちづくり」であります。

　　農林水産業や観光業など各種産業が連携しながら、物のブランド化と地域イメージのブランド化に一体的に取り組み、安定した雇用、若者から高齢者まで活躍できる社会を目指してまいります。

　　令和２年度では、新型コロナウイルス感染症の影響により、町内の観光業をはじめ農業、商工業に経済的打撃を受けたところであり、町では、国の「新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金」を活用しながら経済支援を行ってきたところであります。

　　収束の見えない中、関東圏を中心に二度目の緊急事態宣言が出され、ＧｏＴｏトラベル事業の一時停止等、その影響は近隣県を含み、観光地を有する本町にも大きく影響しておりますので、今後も国や県の動向を見据えながら新型コロナウイルス対策に取り組んでまいります。

　　次に、有害鳥獣対策についてであります。農作物有害鳥獣駆除対策事業への助成を継続して通年対策を実施するほか、非農家も含めて電気柵等設置に対する助成を行い、引き続き町民の自衛対策を支援いたしてまいります。

　　また、農作物有害鳥獣捕獲実施隊員の高齢化が進んでいることから、狩猟免許取得、特に第１種銃猟免許取得に係る助成措置の周知を図り、引き続き新規隊員の確保に努めてまいります。

　　観光面では、「蔵王」の知名度を十分に生かしながら、町観光物産協会や町商工会などの関係機関と連携し、観光需要の回復に取り組み、観光客入込数・宿泊客数の増加に向けて各種施策を展開し、地域経済の活性化を図ってまいります。

　　また、新たに「蔵王町観光大使」として蔵王町に関係する著名な方への委嘱を行い、本町の文化、歴史、豊かな自然環境、特性を生かした地域ブランド及び観光情報を広く紹介し、観光振興とイメージアップを図ってまいります。

　　コロナ禍において、テレワークが急速に普及し、都市部から地方へ移住を望む声も多く聞かれます。「蔵王」の知名度を生かし、地域振興と雇用の確保にもつながるような別荘協議会等関係機関と連携を図りながら、ワーケーションやサテライトオフィス誘致にも取り組み、関係人口、関係企業の増加に努めてまいります。

　　次に、「共に創るまちづくり」であります。

　　町民や自治組織、企業などと行政の協働によるまちづくりを発展させてまいります。

　　自主防災組織については、現在、18行政区で組織されており、災害時に自主的な避難所を開設することなど、防災に対する町民の意識が向上してきていると感じているところであります。今後も防災訓練の実施や資材の整備などの支援を行いながら、町内全域での組織化を進めてまいります。

　　本年度において、地域防災計画の全面改定をいたしました。本町や宮城県など防災関係機関が処理すべき事務または業務の大綱等を定め、地域や風水害等防災対策を総合的かつ計画的に推進し、町民の生命、財産等を災害から保護し、また被害の軽減を図ってまいります。

　　この計画を基に、関係機関や町民を含めた総合防災訓練の実施や感染症対策を踏まえた避難所運営訓練を実施し、災害時に対する万全の体制整備を推進いたします。

　　交通事故や犯罪のない安全・安心なまちづくりでは、交通指導隊や防犯実動隊並びに各地区交通安全協会、防犯協会と連携を図りながら、交通安全、防犯活動等に取り組んでまいります。また、高齢者の自主的な免許返納に対し、新年度からタクシー券を交付し、移動費用の一部を支援してまいります。

　　積極的な行政情報の公開では、スマートフォンやウェブアクセシビリティーに対応した町ホームページを十分に活用し、各課から入力できる情報更新により、きめ細やかな各種行政情報を提供してまいります。

　　自主財源の確保については、庁内で組織する「町税等滞納整理強化推進連絡協議会」による情報連携強化を図り、町税の適正かつ公平な徴収に努め、組織力を生かして徴収率の向上に努めてまいります。

　　また、ふるさと応援寄附制度については、外部ポータルサイトを十分に活用しながら、給付額のさらなる増加を図るよう、返礼品の充実と寄附額の受入れ体制整備に努めてまいります。

　　最後に、行財政の健全化でありますが、今般の社会情勢を総合的に勘案しますと、当面厳しい財政運営が続くものと考えられます。

　　昨年10月に、「蔵王町行財政改革推進本部会議」を開催し、近年の本町の財政状況や状況類似団体との比較等を全課長と確認しながら、行財政改革に臨む意識の共有を図ったところであります。今後、行政改革推進委員会を開催して、行政サービスの向上と本町財政の安定した運営を目指し、全庁的な行財政改革の取組に発展させてまいります。

　　以上、令和３年度を迎えるに当たり、私の町政運営に関する基本的な考え方など述べさせていただきました。町民の皆様並びに議員の皆様の一層のご理解、ご協力、そしてご支援を心からお願い申し上げまして、施政方針といたします。

○議長（村山一夫君）　以上で、町長の施政方針表明を終わります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　日程第７　代表質問

○議長（村山一夫君）　日程第７、代表質問を行います。

　　質問者並びに質問の件名については、代表質問通告書としてお手元に印刷配付のとおりであります。

　　質問される議員にあらかじめお知らせいたします。質問時間は20分以内ですので、５分前になりましたらベルによりお知らせいたします。その後、時間内で質問を終了できるよう時計表示にご注意いただくようお願いいたします。

　　また、一問一答方式で実施いたしますので、よろしくお願いいたします。

　　なお、町長に対し論点を明らかにするために、議長の許可を得て議員に対して質問や意見を述べることができる反問権を与えることにしておりますので、よろしくお願いいたします。

　　最初に、総務経済常任委員会を代表して、７番齋藤英之君の質問を許します。齋藤英之君。

　　　　　〔総務経済常任副委員長　齋藤英之君　登壇〕

○７番（齋藤英之君）　それでは、代表質問をさせていただきます。

　　町長には行政報告、施政方針と１時間半を超えるご説明をいただきまして大変お疲れのところなんですが、粛々と進めさせていただきます。時間もありませんが、手短に進めてまいりたいと思います。

　　それでは、３件ほどございます。一問一答でございますので一つ一つ進めさせていただきます。

　　まず１点目、地域おこし協力隊についてでございます。

　　導入基盤の確立と活用については、今後どのように進めていくのかということについてお伺いをしたいと思います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　それでは、代表質問のほうに入らせていただきます。

　　齋藤英之議員の代表質問にお答えいたします。

　　第１点目の「地域おこし協力隊について」であります。

　　「地域おこし協力隊」については、昨年の第２回定例会12月会議において、大沼昌昭議員から一般質問を受け、隊員の「移住・定着」と活用による「地域力の維持・強化」が図られるものと承知しているところであります。今後、導入に向け前向きに検討する旨、答弁したところであります。

　　この「地域おこし協力隊」は、齋藤議員もご承知のとおり、活動期間はおおむね１年以上３年以下であり、都市地域から過疎地域等へ住民票を異動して生活の拠点を移した者を自治体が「地域おこし協力隊員」として委嘱し、隊員は、地域ブランドや地場産品の開発・販売・ＰＲ等の地域おこしの支援や農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組であります。

　　よって、「地域おこし協力隊」の受入れに当たっては、しっかりとした導入基盤づくりが必要であります。

　　隊員の活動内容を十分にイメージし、どのような人材に来てもらったらいいか、また隊員を受け入れる地域との課題の共通認識を町として整理しておくことが大変重要であります。

　　隊員は、それぞれの人生における大きな決断をして移住し、慣れない生活の中で地域協力活動に従事することとなるため、業務面だけではなく、生活面を含めてサポートする必要が出てまいります。

　　このようなことから、「地域おこし協力隊員」の意向を尊重し、関係する各機関や住民等とも必要な調整等を行い、あらかじめ地域協力活動の年間プログラムを作成して地域協力活動の全体をコーディネートするなど、町は責任を持って隊員を受け入れられる状態とした上で、「地域おこし協力隊員」の募集に臨んでまいります。

　　そのためには十分な準備期間が必要でありますので、ご理解賜りたいと思っております。

　　なお、「地域おこし協力隊」の活用につきましては、施政方針や昨年の一般質問でもお答えしましたように、特に果樹農家等でありますが、高齢化による跡継ぎ不足が問題であると考えておりますので、地域農業振興を主として進め、また観光振興にもつなげてまいりたいと考えているところであります。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　今、ご答弁をいただきました。内容をお聞きしますと、まだ確定といいますか、概略だけでこれからという感じでございます。

　　かなり十分な準備期間が必要だということは私もよく理解しております。１年以上３年以内の活動期間だということで、それから国の特交の措置も含めて定住するということになると思いますが、全国ではほぼ６割が３年過ぎて定住しているという状況でございますので、その点についてはしっかりとしたやっぱり受入れ体制が必要なんだなと思っております。

　　この事業については、国の特別交付税措置ということで、申請が特にあるということじゃなくて、やった後に対しての事業実績において特別交付税措置がされるという話でございます。そんなことで、これを進めていくということでございます。

　　先ほど町長の答弁の中に、何のためにこれを受けるのかということがございました。これについては、先輩議員の一般質問の中で先ほど町長が答弁したように、果樹農家等の高齢化対策とか跡継ぎ不足といったことに対して、地域農業振興を主として活用して定住促進につなげていきたいというようなお話でございました。大変いいことだなと思っております。

　　私は塩沢でございますので、現状を見ますと、やはり跡継ぎ不足が大変深刻な問題で、昨年あたりから大分果樹の木を根元から切っているという状況になっております。切らないでその場に置きますといろいろな病害虫の発生源になりますので、そのまま放置するわけにいかないということでございます。できれば、そういったものも併せて引き継いでやれるような体制づくりもあればいいのかなと思っております。これについては、要綱なんかもつくって、これからそういった活動内容なりいろいろなことを決めていかないと進まないのかなとおります。

　　そこで、いろいろなことを町で決めて募集をかけていって、あとそれに応募した方の事業計画なり企画書なんかも出していただいて、町にあった形の方を任用していくというような形になろうかと思います。そんなことで、どのようなスケジュールでもってこれを今進めていこうと考えているのか、その点について伺います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　齋藤議員が言われたとおり、これは十分な時間が必要なんです。ただそういうふうに募集しただけではだめなので、まず１つは農林業、国では農林業だとか自然保護だとか、あとそれに対する自然保護イコール観光にも関わってくるんですが、その中で農林業に当たっての受入れを考えていくと。その中でも、やはりせっかく蔵王町の梨、果樹の関係なんかでも、やはり100年以上の歴史があるんです。やはり、そういった歴代の何代にもわたってやってきた、またあとよそにない高原地帯でもあるわけです。高原野菜を作ったり、また蔵王町の独自のブランドもありますし、そういった後継の問題を含めると、できるだけそういった方々が伐採しないで済むような、そしてこの蔵王町で本当に３年間の中でやってきていただけるような、そういった環境をしっかりとつくっていきたい。そのためには、十分な時間、準備期間が必要だということです。

　　そういった隊員の導入に当たっては、１つは、現時点で令和４年からやっていきたいとは思っているんですが、これ半年ぐらい延びるかどうか、それぞれの団体の皆さんと話をしながら、そして受け入れてくれる方を探さなくてはならないわけです。ただ募集して誰でもいいからどこかの農家に行きなさいとはできないので、その辺のサポート体制の構築、受入れ体制を含めて、その辺の関係で、地域住民、そしてあと外郭団体との関係、その辺のサポートをしっかりしなくてはならないということです。

　　それと、あと地域協力隊の方々の受入れ、そして何人ぐらいが必要になってくるのかということも含めて、その辺を先進地、県内にも何十人と受け入れているところもありますが、全体的には、全国的に見ても定着しているのは少ないんです。本当に、ですから本気になってこの蔵王町に来てもらって、そしてこの蔵王町で一生懸命に果樹だとか農業をやっていく、そういう方をしっかりと見つけていきたいと思っているんです。そのためには、慌てる必要はないというのが私の考えです。そういったことで、１年後、場合によっては１年半ぐらい延びるかも分かりませんが、一応、希望として内部では令和４年から受けようかということを今考えているところであります。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　今、町長の答弁では令和４年からということで、十分に準備期間を置いて進めていきたいという話でございました。十分な準備期間は何をしていくのか、いろいろ難しいんですよね。やっぱり専門性の高いスキルのある人を採用するのか、そこら辺はどういうことを町が望んでいるのか、どういうことをさせていくかということによって大分変わってくるかと思います。

　　その中で、それを受けた人が企画書とか事業計画書を出すんですけれども、その内容と町の考えが合致していないと、せっかくいいスキルを持った方でも採用しませんよという話になってきちゃうので、やはりその辺も十分に町が活性化するようなほうに向かって十分検討していただきたいなと思います。

　　導入人員は、最低でも複数の方の委嘱が望ましいと言われております。１人ですと孤立してしまいますし、そういう方で、全国的には大体平均すると５人ぐらいになっているのかなというところでございます。

　　令和４年から何名か委嘱して、あと続けてという話にもなることもあるかと思いますけれども、そういった意味も含めまして、町の活性化につなげていけるようなことにこの事業がなればいいなと私は思っております。やっぱり採用して、中には地域の行事とかイベントのお手伝いで終わってしまったとかそういうようなことにならないように、地域にとって大きな刺激となるような、地域や町の活性化がそれによって図られるということがやっぱり私にとっては大きく期待するところでございます。十分にご検討いただいて進めていただければなと思っております。

　　県内では35市町のうち20市町が導入しておりますし、仙南でも６市町と言われております。この間の県内のあれで、丸森町で地域おこし協力隊員が地元発祥の米を原料にしてピンク色の濁り酒、純米醸造酒を共同開発されたと載っておりました。大変すばらしいことだなと。それによってまちおこし、まちづくりを進めているんだなと、結果が出ているようでございます。そういうことも含めまして、十分に活用して進めていただければなと思っております。

　　次の２点目でございます。消防防災指導員についてということで、施政方針でありました。これの位置づけと役割、そしてその活動内容についてお伺いをしたいと思います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　次に、２点目の「消防防災指導員について」お答えいたします。

　　消防防災指導員は、本町において令和３年度から新たに設置する職であります。当初予算においては、消防費の中の防災対策費に報酬等関連予算を計上したところであります。

　　その位置づけにつきましては、今年度から導入されました「会計年度任用職員」であり、週５日勤務を想定しております。

　　また、役割や活動内容につきましては、防災・減災対策の充実を図るため、「消防」及び「防災」に関する専門的な知識を生かし、職員、消防団、自主防災組織など町内関係組織に助言、実務指導及び研修を行うというものであります。

　　本町では、平成21年４月、全国的に予測困難な局地的集中豪雨、いわゆる「ゲリラ豪雨」による災害などへの対応が注目される中、「防災専門監」の職を新たに設置することで防災・減災対策に取り組む体制の充実を図ったところであります。

　　しかしながら、その後の東日本大震災や蔵王山の火山活動の活発化、令和元年台風19号などを省みますと、安全・安心なまちづくりを進める上で、より高度な専門的知識や経験に基づいた防災・減災対策が欠かせないと感じております。

　　そのために、「消防」や「防災」に関する分野で長らく活躍され、経験や専門的知識に長けた人物を消防防災指導員として任用することで、本町の防災・減災対策の強化を図ろうとするものであります。

　　また、消防防災指導員の勤務時間は、農林観光課の農業振興指導員と同じく、月曜から金曜までの週５日を基本としますが、火災や災害発生時には時間外勤務を想定しております。

　　先ほど述べましたとおり、今年度、地域防災計画の全面的な見直しをしたところでもありますので、今後、この計画を基に関係機関と連携しながら訓練等を実施してまいりますが、消防防災指導員には、その経験と知識を存分に業務で発揮していただくものと考えております。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　今、ご答弁をいただきました。会計年度任用職員ということで、週５日勤務の職員ということでのご答弁でございます。そうしますと、今、正職員でおります防災専門監とのあれはどのような形になるのか、その辺についてちょっとお伺いしたいと思います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　防災専門監に当たっては、今のままで対応していきたいと思っております。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　さらに防災関係を充実させたいという町長の思いからの一応配置になるのかなと思っております。

　　県で登録制でやっております地域防災指導員という方がおりますが、それとはまた別という形での任用になるのかなと思っております。地域防災指導員についても、防災関係のいろいろな普及促進なり自主防災組織の指導とか、そういった方がそれぞれの、小学校単位にあると望ましいと言われているんですけれども、地区に１名ずついて、そういう方はするんですが、それともまた活動内容は別だという考えでよろしいのかどうか、その辺について伺いたいと思います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　全く別です。今、おっしゃられる県等なんかで講習会等を含めて今やっていますけれども、それも蔵王町でも大分受講してもらっています。それはあくまでも先ほど言った18か所の自主防災組織が出来上がっているんです。その防災組織の出来ている中の方々に参加してもらう、そっちの方々なんです。

　　ですから、今回の消防防災の指導員に当たっては、役割と活動内容でありますが、１つは消防団の育成に係る助言指導、２つ目には防災会議の審議事項における助言指導です。

　　あと３つ目には、自主防災組織の育成に係る助言指導と、そういった婦人防火クラブだとか、あとは今言った防災研修だとか、あと地域防災、一番は先ほどから言っているように地域防災、この地域防災計画の災害マニュアルを作成する。これは蔵王町に合ったものを、実は、毎年毎年全国で災害があるので、そしてそれぞれの自治体が毎年変えるようにということで、この前も県からもいろいろなアドバイスを受けたところであります。そういうものに当たって、やはり専門の人が必要であると。あくまでも、さっきから言うように職員ではなくて再雇用といいますか、そういう立場の方でありますので、そういった地域防災計画に当たる。

　　それと、あとは総合防災訓練の企画立案だとか、あと町職員の防災教育、そういった面で指導してもらったり助言をしていただいたりと、そういったある半面ではこの専門監の補佐になったりする場合もありますが、そういう立場の方ということであります。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　あくまでも防災の専門監の補助といいますか、役割はまた別なんですけれども、そういった形で進めるということだと思います。

　　先ほど、指導員のスキルなんかについては、消防団ＯＢとかそういった経験豊富な方を任用したいというようなことですが、これ今年の３月から、新年度の３年度から進めるということで、これらの要綱なんかはもう既におつくりになっておられるのかどうか、お伺いします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　３月で、設置規則でやっていきたいと思います。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　その設置規則については、後ほど出来たときに見させていただきたいと思っております。

　　これについても、昨今、町内でもいろいろな災害があります。先ほどの宮城県沖地震、またありました。そういったものにも対応していただくように、十分に活躍していただきたいと思っております。これについては終わらせていただきます。

　　次の３点目でございます。町長の施政方針の中に、財政調整基金について最低でも５億円が必要であるとおっしゃっております。どのような財政計画をもってこれを達成していこうと考えておられるのか、伺いたいと思います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　次に、第３点目の「財政調整基金について」お答えいたします。

　　財政調整基金につきましては、条例第１条において、「災害復旧、地方債の繰上償還、その他財源の不足が生じた時の財源に充てることにより、町財政の調整を図り、その健全なる運営に資するため財政調整基金を設置する」との設置の目的を定めているところであります。

　　この財政調整基金の年度末の現在高でありますが、ここ10年間で５億円を下回ったのは令和元年度末の２億9,000万円のみでありました。これは先ほども申し上げましたが、主に公共下水道事業特別会計の企業会計制度移行に伴う多額の繰出しによる結果によるものでありました。

　　令和２年度の当初予算においては、２億円の基金繰入れを予算化しておりましたが、補正予算編成の過程において、９月ではこの全額を繰り戻すことができなかったほか、9,000万円の決算積み立てを行い、さらに今回上程させていただきます３月補正予算では、１億1,000万円を積み増しして、令和２年度末の現在高を約４億9,600万円、ですから達成にはちょっと400万円足りませんが、５億円達成ということであります。それまで回復させることができる予定としております。

　　このように10年前の東日本大震災では、この基金から５億2,000万円を充てることで早期復旧を図ることができたところであります。先ほども申し述べましたが、そういった意味では、私は「最低でも財調は５億円は必要だ」ということをずっと言っているんです。ほかのほうにも、いろいろなほかの基金を入れてしまうと約17億円強ありますけれども、それは学校教育基金だとか農業基金だとかいろいろな基金なので、本来の先ほど言った、何にしてもそういったすぐに使える基金がこの財調でありますので、しっかりと最低ラインの５億円は維持していきたいと思っています。

　　基金残高でありますが、今年度末でほぼ目標とする金額まで回復する見込みであります。今般の社会情勢から、気を緩めることなく財政運営をしっかりしていかなければならないと考えております。

　　そのため、昨年10月の「蔵王町行財政改革推進本部会議」を新たなスタートラインとして、行財政改革に力を入れて取り組み始めたところでもあります。

　　今回の改革の方向性でありますが、「最小の経費で最大の効果を上げる」という大原則にのっとり、普段の業務の中から改善できる点を拾い上げ、その取組を継続し、全職員に定着させようとするものであります。

　　本部会議の直後から、各課の個別の業務において改善に取り組み始めた部署もあり、また先月には、全職員を対象に業務改善の取組案を募集したところでもあります。職員から提出された取組案について、「庁内行政改革推進委員会」において精査、そして住民サービス向上、歳入確保、歳出削減、業務効率化など行財政改革としての効果が期待できるものを取り上げ、全庁的な取組として継続してまいります。

　　本町の財政状況は、町民に痛みを強いるような改革に踏み切る段階ではないと考えておりますので、現時点では、職員のアイデアを結集し、自らの創意工夫で改善できることを着実に実施することで、歳入の確保及び歳出の削減に努め、基金残高５億円の目標を達成し維持していきたいと考えているところであります。

　　以上申し上げまして、答弁とさせていただきます。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　ただいま答弁をいただきました。答弁でも述べられておりましたように、昨年といいますか元年度末の財調２億9,600万円ということで、大変厳しい状況だったと思っております。そのときは刈田病院の貸付金ということで戻ってこないんですけれども、１億3,200万円とか、先ほどの水道事業の繰出金とかがありまして、３月で財調を普通は戻すんですけれども、逆にマイナス２億円ということで２億9,600万円になってしまったというようなことで、これについても大変危惧すると私は質問したことがございまして、というのは、２億9,600万円で令和２年度の当初予算に繰り入れて２億円計上しているんです。そうしますと、9,600万円しかないと。決算剰余金で9,000万円積むようになったのでなんぼかいいんですけれども、かなり厳しい状況だなと思っておりました。

　　今回、いろいろ見ておりますと、２年度末の予算上の最終ということで４億9,600万円に財調がなるという見込みでございます。これについても、この後の年度末の専決処分、特交とか、震災復興特交あるかどうか分かりませんが、昨年ですと6,000万円ぐらい積み増しといいますか、そういった形になろうかと思います。

　　どのぐらいあればいいかというのはいろいろ論はあるんですけれども、一般的には、標準財政規模の10％から20％だと言われております。先ほどの財調が４億9,600万円です。あと２年度の標準財政規模が42億9,300万円ということで、これを割りますと大体11.55％というようなことで、何とかクリアなのかなということで、要は５億円というのが災害対策、宮城県沖地震、通年議会もしたこともありまして、いち早く復興が進んだということもございまして、国の補助金が来る前に前倒しして工事発注できたというのが一番のメリットかなと思っております。

　　そんなことで、最低５億円ということなんですが、やっぱり先ほどの町長の行政報告でしたか、刈田病院のいろいろな問題、精算に伴う多額の財政支出が伴ってまいります。そういうこともありますので、やはり５億円といわずもうちょっと必要になってくるのかなと思っております。

　　今年度２年度末で増えた要因は、やはり何といっても予算で６億円ぐらいに３月に補正で上がっていますが、１億1,000万円を戻したと、逆に前年度は２億円を取り崩したと、この差なのかなと思っております。そんなことで、おおむね健全財政に近づいているのかなと思っております。

　　それにいたしましても、やはりどこで地震があるかも分からない、10年でまた来たんですが、６強の割に、思ったほどというと語弊がありますけれども、大規模な災害にならなくて済んだなと思っております。そのことも含めて、十勝沖、宮城県沖で30年以内に来るのが80％、90％と言われていますので、いつそういったことがあるかも分かりませんので、それに対応できるような財調の確保というのが必要だろうと思っております。

　　先ほどの答弁ですと、行財政改革推進本部を立ち上げて、推進委員会でもってこれからやっていくというようなことでございまして、着実にそういったことを実施していただければいいのかなと思っております。

　　行財政改革については、最終日に私一般質問させていただきますので、その辺についてはちょっと割愛させていただきますが、ふるさと応援寄附金、非常にこれも有効な自主財源の確保になったのかなと。私も度重なる質問しておりまして、もっと職員を配置して、１人といわず、もっと体制を整えて、前は10億円と言っていましたが、20億円も夢じゃございませんので、こういったところに向かってとにかく自主財源を確保していかないと、町長がこれから今年度に進めようとしておりますいろいろな事業に支障が来てまいりますので、そういったことを含めまして、町長の財政計画をしっかりと持っていただいて進めていただければいいのかなと思っています。

　　最後に、町長の見解を伺いたいと思います。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　しっかりと対応して、今までもずっと来たつもりでもありますし、やってきたわけであります。

　　ただ、多くの県内の自治体では、市町村、この3.11の東日本のときに、いろいろな特別の基金がたくさんあったんですけれども、それを一般の基金に一本化したところが大変多いんです。蔵王町はそこまで、当時、私の記憶だと６億円ぐらいあったのでそれで間に合ったということもありましたし、そういったことで、今回の中学校の問題でも学校の基金もありますし、そっちのほうから取り崩しながらやらせてもらっていますし、そのようにできるだけそういう特別の基金を使わずに、できるだけ６億円でも７億円でも少しでもためていきたい。

　　そのためには、どこから財源を捻出してくるかということが問題でありますし、そういった面では、１つはふるさと納税、元年でありますが、２億6,000万円ぐらい、今回は５億7,000万円なんです、令和２年で。ですから、５億7,000万円ですから、もう３億円ぐらいプラスさせてもらったんです。ですから、でもこれは丸々ではないですから、その分、大体、本町は経費50％を抑えなさいと国から言われているんですけれども、その産物によってはなかなかそうもいかないこともあります。そういった面で、大体40％は間違いなく町の一般会計のほうに収入として上がってきているということであります。

　　そういったのをやはり今言われたようなことも承知しておりますし、しっかりとそういったところに手を打ってきたことが、今回、この３億円伸びてきたこともあろうかと思っていますし、また、あと一事業者だけでなくて取扱いの関係も含めて、多くのサイトで目を通してもらえるような、多くの国民の皆さんに、そういった環境づくりもやってきているということであります。

　　ただ、基本的にはこれにだけ頼ったら絶対だめなんです。菅さんがつくったやつですから、菅さんが辞めたらなくなっちゃうかも分からないし。

　　ですから、あくまでもこれは今の過程であるので、できるだけいろいろなことを今考えて、宿泊なんかも、今年度は宿泊券も考えていこうということをやっておりますし、そういったことで、できるだけ財源確保に力を入れていきたいとは思っております。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君。

○７番（齋藤英之君）　町長の答弁で分かりました。

　　昨年度末２億9,600万円とありましたけれども、その他、減債基金なり、地域振興基金は途中で落としてなくなっちゃったんですけれども、特定目的の義教とか、あとふるさと応援寄附金とかそういったのはありますので、目的以外に条例改正すれば使えるので、昨年時点でも町長は大丈夫だという認識だったんだろうと思います。それぞれの事業のための特定基金でございますので、それぞれの事業が円滑に進みますように、例えば、義教なり、そういった余裕があるときにどんどん積み増ししていただいて、後年度の負担にならないような施策が必要なのかなと私は思っております。

　　そういったことも含めて、着実に行革を推進していただいて、健全財政を進めていただきますようお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○議長（村山一夫君）　齋藤英之君の代表質問が終わりましたので、ここで昼食のため休憩いたします。午後１時30分より再開いたします。

　　　　　午後０時３１分　休憩

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　午後１時３０分　再開

○議長（村山一夫君）　再開いたします。

　　休憩前に引き続き代表質問を行います。

　　次に、教育民生常任委員会を代表して10番三沢　茂君の質問を許します。三沢　茂君。

　　　　　〔教育民生常任委員長　三沢　茂君　登壇〕

○10番（三沢　茂君）　今、ご声援がありましたけれども、教育民生を代表しまして代表質問をさせていただきます。

　　４点もあるんですけれども、まず１点、新型コロナウイルスワクチン接種の実施についてでございます。

　　経験したことのないワクチンの接種であることから、多くの町民の方々が関心と不安を抱いております。昨日、チラシはもらったんですが、一応この時点ではまだなかったものですから、接種の時期、場所、それから具体的な実施計画について、現時点で確定している内容についてお聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　それでは、三沢　茂議員の代表質問にお答えをさせていただきます。

　　第１点目の「新型コロナウイルスワクチンの接種の実施について」であります。

　　ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症による死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、結果として新型コロナウイルス感染症の蔓延の防止を図ることを目的としております。

　　国民への円滑な接種を実施するため、国の指導の下、広域的視点及び住民に身近な視点から、国、都道府県及び市町村が役割を分担し、必要な体制整備を進めているところであります。

　　ワクチンの接種順位は、国で決定することとなっておりますが、ワクチンの調達が段階的にならざるを得ないことから、まず重症化するリスクの高い方から順に接種することで重症者や死亡者を減らすことを優先しております。

　　昨年12月末に、ワクチンの接種体制を早急に整えるよう国より通知があり、２月から「新型コロナウイルスワクチン接種推進室」を立ち上げ、３月中に無償譲与される超低温冷凍庫の配置場所を蔵王病院に決定するなど、接種体制等の準備を進めてまいりました。

　　高齢者の接種開始は、当初は３月下旬からの予定でありましたが、２月24日の総理大臣、河野新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣の記者発表では、「４月５日の週に発送を始め、26日の週から全国全ての市町村に行き渡る数量のワクチンを発送したい」という内容でありました。

　　今後、ワクチンの供給量を考慮し、早急に接種日程を確定させ、町民の皆様にお知らせしてまいります。

　　なお、本町においては、町内医療機関の先生方、担当職員とも検討を重ねた結果、蔵王病院を中心に蔵王町医談会の先生方の協力をいただき、「蔵王町ふるさと文化会館」において火曜日から土曜日までの日程で集団接種を行う予定であります。

　　ワクチン接種を開始する前に、「接種券」を対象者に順次郵送し、電話やインターネット等で予約を行っていただくこととしております。

　　円滑に町民の皆様がワクチン接種を受けることができるような体制づくりを行うとともに、ワクチン接種に向けての各種情報をきめ細やかに町民の皆様に発信することで、ワクチン接種率を高め、新型コロナウイルス感染症防止を進めてまいります。

　　以上であります。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　ただいまの答弁、それから先ほどの施政方針の中にも説明がございましたのでよく理解しました。

　　また、さらに昨日、このチラシが配付されまして、町民の皆さんも新型コロナウイルスに対する切り札というか、そういうことで最大の武器になるということで大変期待をして、その中でもやっぱり期待が大きいだけに不安をお持ちになったわけですけれども、これを見て大分安心されたと思います。

　　ただ、今、町長からもありましたとおり、政府のほうでワクチンの入手関係とかで、場合によっては予定時期がずれ込むというような不確定要素もあるようでございます。また、あと薬の種類も、何か先ほど議長からもあったように１回で済む薬剤も出てきているという情勢にあるようでございますけれども、今、町長からありましたように、できるだけ速やかに情報を開示していただければと思います。

　　ネットなんかを見ますと、接種券、いわゆるクーポン券ですか、そういったものとか、それが郵送される封筒とかを写真にしたものを皆さんに周知、こういうものが行きますよというようなこととか、あとそれからＱ＆Ａ形式の文書とか、あとはネット掲載とかがある自治体もあるようでございます。今の時代ですから、そういったものも分かりやすいのかなと思ったところでございますけれども、その辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。お願いします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　ちょっと詳細等につきましては、担当課長から説明させていただきたいと思ってございます。

○議長（村山一夫君）　保健福祉課長。

○保健福祉課長（鈴木智子君）　お答えいたします。

　　今回、お配りいたしましたチラシは第１回目ということで、これからも国からいろいろな情報が入り次第、チラシやホームページなどで分かりやすく皆様のほうにお知らせしていきたいと考えております。回数的には何回になるかちょっと分からないところですけれども、なるべく多くの回数をお知らせしていきたいと思っております。

　　以上となります。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　先ほども私が述べたとおり、菅総理も河野大臣も今度は私たちが責任を取るということは言っておりますのであれでありますが、先ほど４月26日の週、ですから、それが私たちの蔵王町に、宮城県に入るのがその26日ですから、蔵王町にいつ入ってくるのかがまだ詳細も見えてこないので、ですから、その辺、準備していてもやはりあれなので、その辺ちょっときちんと間違えないところで対応していきたいと思っています。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　蔵王町は７人の感染者ということで、それ以来ずっと発生していないので、町民の皆さんもある程度安心していると思いますけれども、やっぱりワクチン接種となると副反応とかいろいろな心配もあるものですから、きめ細かな周知をお願いしたいと思います。終わります。

　　次の２点目をお願いしたいと思います。

　　学校教育についてということの件名でありますけれども、令和２年度から小学校の英語教育が教科化されましたが、その実績を踏まえた新年度の実施方針についてお伺いします。

　　それから、ＧＩＧＡスクール構想による機材の配備、それから施設整備等が、聞くところによりますと令和３年度中に完了し、それらを活用したＩＣＴ教育がいよいよ本格的に実践されるとのことでございますので、前にもお伺いしましたけれども、その概要について改めてお伺いしますとともに、目指す成果について簡単にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　次に、第２点目の「学校教育について」お答えいたします。

　　まず、英語教育についてでありますが、本町では平成29年12月に教育課程特例校として小学校５校が英語教育特区を受けており、教科化による小学校の英語科は３年前から先行実施をしているところであります。

　　これに加えまして、１・２年生でも英語教育を行っており、さらに保育所・幼稚園でも年間５時間から10時間程度の英語活動を行うなど、幼少期における遊びや生活の中で英語に親しむ環境を整えているところであります。

　　また、小学校では、英語専科教員や英語教育指導員、ＡＬＴ、担任の複数による授業を行い、中学校につなぐようになっております。

　　中学校では、３年生に対する英語検定受験料の補助を行っており、その実績は３年間で116名、合格率は平均で62％ですが、令和２年度は83.8％と高くなり、徐々にその成果が表れてきていると感じております。

　　次に、ＧＩＧＡスクール構想によるＩＣＴ教育の概要でありますが、令和２年度は高速大容量ネットワークの構築と児童生徒用及び教職員用の学習用タブレット端末整備を行っております。一部端末の納入が遅れる学校もありますが、令和３年度中には１人１台端末の環境が整い、これによりまして全国一律のＩＣＴ教育の環境が実現し、子供たち一人一人に最適化された学習環境が実現されるものと考えております。

　　また、昨年、東北工業大学と仙台城南高等学校との包括連携に関する協定を締結しましたので、この分野でも両校の協力を仰ぎながら、蔵王町でのＩＣＴ教育の推進を図ってまいります。

　　なお、英語教育「ざおう英語活動」に関する具体的な内容及びＧＩＧＡスクール構想に伴うＩＣＴ教育の詳細については、教育長に答弁をさせます。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　私からは、「学校教育について」お答えいたします。

　　英語教育については、先ほど町長が答弁したとおりでありますが、「ざおう英語活動」の具体的な内容についてご説明申し上げます。

　　令和２年度からの小学校新学習指導要領では、英語教育について３・４年生は英語活動として、週１時間、年間35時間、５・６年生は正式な教科となり、週２時間、年間70時間を実施しております。

　　町では、これに先駆け、平成30年度から小学校５校が教育課程特例校、英語教育特区を生かし、１・２年生から年間34時間から35時間の「聞く・話す」を中心としたざおう英語活動を行っており、加えて３・４年生からは「読む・書く」の活動も行い、５・６年生は「聞く・話す・読む・書く」の英語４技能を行うなど、中学校につながるよう英語の技能習得に特に取り組んでまいります。

　　また、令和元年度に続き今年11月には、ふるさと文化会館を会場に２つの小学校で持ち込み授業を行う「ざおう英語活動実践発表会（公開研究会）」を実施します。

　　現在、５つの小学校に５人のＡＬＴが在籍しておりますが、それぞれに空き時間がないよう学校間を移動調整し、ＡＬＴ３人、英語専科教員、担任の５人によるイングリッシュ・シャワーのざおう英語活動を行っています。

　　令和３年度には、小学校で英語教育特区による授業を受けた子供たちが中学３年生となりますので、英語検定の受験などにもその成果が徐々に表れるものと期待をしております。

　　次に、ＧＩＧＡスクール構想に伴うＩＣＴ教育の詳細についてご説明申し上げます。

　　先ほど町長が答弁したとおり、本年中に高速大容量ネットワークと児童生徒１人１台の情報端末整備が完了しますので、これらのＩＣＴ機器を活用した効果的な授業の実践を行います。

　　具体的には、５月から毎月公開授業を実施し、東北工業大学や仙台城南高等学校からの助言をいただきながら、指導内容の改善を図ってまいります。

　　次に、家庭でのオンライン学習を想定し、遠隔学習機能強化のため、ウェブカメラ、スピーカーフォンなどの周辺機器の整備も進めております。

　　また、これらの機器を使って、令和３年度は平沢小学校を中心に外国の子供たちとの国際交流学習（オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ）を行います。

　　ＩＣＴ教育の目指す成果については、授業の中で課題や目的に応じて、子供たちがタブレットを使って自分で考えをまとめたり発表したりできるようになることがあります。

　　また、教師は、機器を活用して子供一人一人の考えや反応を把握し、双方向型の一斉授業が可能になるなど、授業をより効果的に進めることができるようになります。

　　さらに、プログラミング学習を積み重ねることで、論理的な思考ができる児童生徒の育成を目指します。

　　今回、整備するＩＣＴ機器の活用を図ることで、小中学校における学習活動の一層の充実を図り、主体的・対話的で深い学びの授業改善が図れるものであります。

　　以上申し上げまして、答弁とさせていただきます。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　町長、教育長、どうもありがとうございました。

　　少し再質問させていただきます。教育長にお願いしたいと思います。

　　先ほど、英語教育については検定の合格ということが83％まで上昇しているということで、大変よかったなとお伺いをいたしました。これから小学生の英語の教科化ということになりますと、今教育長からもありましたとおり、中学への連続で英語の学習がよりスムーズになるメリットは大分大きいと私も思っておりました。

　　ただ、保護者なんかに聞きますと、英語が教科化になることで児童の不安というか、それからあと学校の先生も、今までは中学校と違いまして、英語担当ということのしっかりしたものになっていくと、それからあとそういったものを見ている保護者の心配も増えるんじゃないかという声もあるんですけれども、この辺について何か対応されると、特別なことがもしあれば、お願いしたいと思います。教育長にお願いします。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　お答えさせていただきます。

　　小学校の英語教育の教科化の目的は、今まで小学校は英語遊びを中心とした楽しむ英語をやっておりました。それが中学校にまいりますと１年から文法をするということで、そこの開きが大きくて、子供たちが中学校に行くと、英語が小学校は楽しいが中学校では嫌いになるという傾向がありました。それを受けて文部科学省では、小学校の５・６年生で楽しみながらも文法や書く、読むなどにちょっと触れることによって、中学校との接続をスムーズにするようにということで実施される目的でございます。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　まさにそういうようなことをちょっと保護者のほうから伺ったものですから、今、お伺いしました。その辺について、しっかりと対処していただきたいと思います。英語でお遊びのうちは何の抵抗もなくやっていたんだけれども、というような声もありましたのでよろしくお願いします。

　　話はずれますけれども、やはり国際化にとって英語はもう必須というような時代になりまして、私らは若干の米帝の時代でございましたので、そんな英語で話すなんてとんでもないことだと思って育ってきた人間がこんなことを申し上げるのも変な話なんですけれども、町内平沢でもベトナムからの研修生ということで日本語の学校も開かれております。

　　あとまた、これからワクチンの話、先ほど出ましたが、コロナが収束すれば、いずれ蔵王町としては観光振興ということでインバウンドによる振興策を図るという意味でも、やはり直接英語でコミュニケーションを地元の人が、地元の人全員というのは無理でしょうが、関係者が図れるということは、それだけ人の心のつながりが強くなるということを大変期待しているところでございます。

　　それで、次のＧＩＧＡスクールということで、今の子供たち、いわゆるソサエティー5.0と呼んでいるそうですけれども、私は農耕民族、狩猟民族ですからソサエティーからいうと１か２からまだ脱し切れていないような人間ですけれども、ちょっとお伺いしたいと思います。

　　先ほどお２人からも説明をいただきましたけれども、家庭内におけるＩＣＴを活用するためには、まず心配なのは、あまり数はないということなんですが、Ｗｉ−Ｆｉ環境の整っていない家庭というのが、今度は小学校も関係してくるんですけれども、調査をされているようですけれども、どの程度あるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。その対策も一緒に。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　お答えさせていただきます。

　　教育委員会のほうで調査をさせていただきましたところ、17家庭がまだＷｉ−Ｆｉ環境が整っていないという報告をいただいており、小中含めて17家庭ということです。

　　それで、教育委員会といたしましては、今後、１人１台の端末が児童生徒に学校で使えるようになります。それを時期を見て家庭にも持ち帰るようにするということで、それは万が一臨時休業などがあった場合にもそういった活用を図れるようにということで考えているわけなんですが、ただ、今の段階で、例えば、来年度中に入ったからすぐ持ち帰るということは考えてございません。というのは、それに対する準備が必要だと思います。子供たちは、それにある程度の規制をかけないと、インターネットを見たりとかユーチューブを見たりというものに使ってだけいくのでは学習の効果は高まらないだろうということで、そこを慎重に学校の先生方と今話合いを進めているところです。

　　それで、そういったときに、子供たちに持たせる環境をつくったとしましたときに、その17家庭をどうするのかということなんですが、実は学校のほうではＷｉ−Ｆｉ環境が全部整っておりますので、基本的にそのお子さん方については、そういったときには学校に来てもらうのが一番いいのかなとは考えております。そうすると広い部屋で自由にそこで学習もできますので、そうすると密にもならなくて済みますので、そういった対応も１つ考えられるのかなと考えております。Ｗｉ−Ｆｉの機器を配った後に通信料が発生しますので、それを家庭の負担にするのが一番やっぱり教育委員会としても危惧しているところでございます。

　　以上です。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　分かりました。今、教育長から危惧されるということもちょっと質問の中に考えていたんですけれども、しばらくは、そうすると家庭に持ち帰るというようなことはないと理解してよろしいんですね。分かりました。

　　渡す場合のそういったセキュリティー関係とかをどうするのかということもちょっと確認したかったわけですけれども、それからあと破損した場合、いずれはそういうこともあるかと思いますけれども、そういったこともちょっと心配です。

　　あとそれから、そうすると、しばらくはというと、進んでいる学校ですと何か聞きますと、もう宿題もペーパーレスでやるというようなことのようなんですけれども、いつ頃から、大まかなめどとして、小学校は別として、中学校あたりは個別に渡すというようなことは考えているのか、お伺いさせてください。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　お答えいたします。

　　教育委員会と情報教育担当者会のほうで協議をしておりますけれども、令和３年度は、準備期間としていろいろな問題点を洗い出すと、それに対するマニュアルをつくったりとかいろいろなことを考えてまいりまして、できれば令和４年度ぐらいから子供たちが持ち帰るような環境がつくれればと考えてございます。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。令和４年度からできるかもしれないということで理解しておきます。

　　あと、それから先ほど教育長から生徒たちと一斉教育というか一斉授業の中で、例えば、私、ネットで見たんですが、生徒それぞれが自分のタブレットで作成したものを教室の黒板の代わりにあった大きなディスプレイに全員の分を反映させると、映写するというようなことなんかもやっていて、みんなで比較検討したりしていたんですが、そういった機器というのは、我が町の場合はやっているのかどうかも併せて伺います。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　お答えさせていただきます。

　　子供たちが、今、端末を一人一人持っていませんので、今、授業で行っているのは、先生方がタブレットを使っていろいろな教材を示したりという形を行っております。子供たち一人一人にタブレットが配付されますと、それを先生方が瞬時に把握できるような仕組みというのは、Ｇ　Ｓｕｉｔｅ　ｆｏｒ　Ｅｄｕｃａｔｉｏｎのほうでそれも入っていますので、そういったもので進めることは可能となっております。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございます。

　　今、先生方という話もありました。その先生方もなかなか使いこなす、あるいは生徒に指導するというようなことで、既にもうそういった訓練というか指導を受けていると思うんですけれども、今後、そういった方々に対するフォローというか指導体制なんかはどうなっていくのかについて、もう１回確認させていただきます。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　蔵王町のほうでは、令和２年度の対応として、入るまでではあるんですが、ＧＩＧＡスクールサポーターという方２名入っていただいて、４校ずつにそれぞれが担当して回っていただいて、今、研修を含めて進めているところです。ただ、実際に物がまだ入っていませんので、実際に使った物とかというのはまだできませんので、準備段階だというところであります。

　　それで、新年度になりましてからは東北工業大学さんのほうから先生方の研修をぜひやらせていただきたいということも来ておりますし、各学校で授業にどう使うのが効果的だという研修もそれぞれ独自に進めているようです。

　　ですので、そういったものを生かしながら、今後、検証を図って、先生方がそういった環境に早く慣れ、使いこなせるようになるようにしていきたいと考えております。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。このグローバル化というか時代に即したような教育ができるんだということで理解しておきます。

　　また、我々の時代にはとてもじゃないが考えられなかったような、もう都市部と地方関係なしに、ネットのつながりによってしっかりした教育ができるということは大変羨ましいなと思っております。

　　それでちょっと危惧するのが、縄文時代の人間としては、漢字を１つの符号化、記号化のように覚えてしまう、変換することによって覚えてしまう、小学生の保護者からも聞いたんですが、漢字をしっかり覚えていくんだろうかというような心配もありますので、この辺については恐らく教育長もしっかりと対応されていると思いますけれども、これラストですが、一度お聞かせ願いたいと思います。

○議長（村山一夫君）　教育長。

○教育長（文谷政義君）　お答えさせていただきます。

　　漢字教育につきましては、蔵王町が教育の一番大事なものとして捉えておりますのが国語教育、日本語教育でございます。それは変わらずこれからもきちんと進めていき、子供たちの日本語、国語力が十分確保できるように努めてまいりたいと。

　　それから、パソコンですと大概ぽぽぽと指で押して皆できるようになるんですが、今回、子供たちに配付いたします１人１台端末につきましては、キーボードが一人一人につきますので、その後、仕事にずっと向けて、そういった準備もしっかりキーボード操作ができてということで対応できるように考えているところでございます。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　グローバルで活躍する人材の育成ということで大変頼もしく思っております。ただ、世界に若者全員が羽ばたいてしまってここが空洞化しても困るので、同時に、やはり郷土愛といったものもしっかりと育んでいただければと思って、この件を終わります。ありがとうございました。

　　３点目のシルバー人材センターについてでございます。これにつきまして、通告書を読み上げます。

　　昨年、立ち上げたセンター準備室でこれまで設立の検討をされまして、本年10月から事業開始を目指すということでございますが、これまでの議会での協議、質問、それから町長の答弁を踏まえると、運営にはかなり厳しさが伴う懸念も持たれます。開始に当たっての、何でも事業はそうですけれども、事業もくろみについて、その詳細というか、概略でも結構でございますのでお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　次に、第３点目の「シルバー人材センター事業開始について」お答えいたします。

　　本町では、シルバー人材センターの設置に向けて、令和２年４月に「シルバー人材センター準備室」を立ち上げ、近隣各市町の運営状況調査や本町における設置場所等を検討してまいりました。

　　令和３年１月には、シルバー人材センターの周知と会員登録意識調査を目的に、60歳から77歳までの町民3,104人に郵送によるアンケート調査を実施してまいりました。回答率は、２月25日の時点で37.6％であり、332人、30.3％の方が「ぜひ登録したい」「登録を検討したい」と回答されており、町民の関心は高いと考えているところであります。

　　また、設立までの準備業務を行政主導ではなく、より町民目線で検討できるよう民間業者への委託を行い、官民協働で「一般社団法人蔵王町シルバー人材センター」の設立を準備してまいります。

　　センター設立後は、国の補助基準であります会員100人以上、年間就業延べ5,000人以上を早期にクリアできるよう、会員拡大、利用促進等、町民に呼びかけなど支援してまいります。

　　さらに、人口減少が進む中、センター業務を円滑に進めるためにも、センター設立後、早急に村田町、川崎町とも協議を行い、広域化を目指してまいりたいと思っております。

　　以上で答弁とさせていただきます。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。あまり詳細でない答弁、ありがとうございました。

　　確認しますけれども、先ほどアンケートでは25日現在で37.6％が回答済みということで、そのうちの登録したい旨の回答が30％ということは、全体の30％じゃなくて返ってきたものの30％でしょうか。（「はい」の声あり）返ってきたものの30％。分かりました。あまり多くなかった。ありがとうございました。

　　それで、私がお伺いしたかったのは、それも確かに、ただそれは大体想定したことなんですけれども、事務所の場所はこれから定めることとして、今年度スタート、これが10月からですから中途半端な時間しかないんですけれども、事業スタートに当たってのもくろみと普通考えますと、会員を何人ぐらいまず確保して、それから作業量、いわゆるお得意さんをどれくらい確保して、例えば、10月からだと半年ぐらいだけれども、今年は何日ぐらいと、これくらいの事業収益を上げて、これくらいの費用を出して、多分、事務員を雇うことになるかと思いますが、管理経費はどれくらいかかって、それに対して町がどのくらいを出す必要があるとか、ちょっと予算書を私は丁寧に見ていないので分からないんですけれども、その辺を今日ここでお伺いできるのかなと思ったんでございますが、もう一度お願いいたします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　まず、先ほどのアンケートの結果でありますが、会員登録をしたいですかという質問でありますが、「登録したい」という人が82名、「登録を検討」が250人、これは最低100人以上いないとだめなんです。ある近くの行政だと100人以下になってしまったということもありまして、そういった面では、先ほど言いましたように両方合わせて332名ですから、関心が高いなと見ているところであります。

　　そのほかに当たっては、担当課長から答弁させていただきます。

○議長（村山一夫君）　保健福祉課長。

○保健福祉課長（鈴木智子君）　お答えいたします。

　　シルバー人材センターを来年令和３年度に開所するというＰＲも兼ねて、今回、アンケートを取らせていただきました。その中で、もう登録したいという方には後日、住民説明会なども一応考えているのは８月上旬でありますけれども、そういうときにダイレクトメールを送ることも考えております。この332名につきましてはダイレクトメールと、あとそのほかの町民の方というか全戸配布でチラシを、８月には住民説明会を行いまして会員登録について説明を申し上げ、会員を登録していただいて、９月上旬には設立総会をいたしまして、10月にセンター開設という流れで考えております。

　　一応アンケートの中では、どのような仕事されますかというか仕事をしたいですかというのを聞いておりますけれども、一番多いのは、やはり除草とか剪定の作業をしたいですという方が30％おりました。続いては、家事とか福祉という大きいくくりになっておりますけれども、その方々が16.7％、あと自動車の運転などしたいですという方が10％いらっしゃったということで、この辺のやはり、よそのまちでもですが、除草とか剪定というのがやはり主な作業になってまいりますと思いますので、その辺についての研修を行って、ただ令和３年度におきましては10月開所ということで、来年度、除草とか剪定がちょっと終わってしまっている時期にもなるかなと思いますが、その辺は研修など重ねながら、本格的に稼働は令和４年度に向けて、来年度は準備期間ということでやっていきたいなと考えております。

　　以上です。よろしくお願いします。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　こういう中途半端な期間ですから、具体的な金額ベースでは出さなかったということだと思います。分かりました。

　　ただ、今、除草、剪定で30％という話もありました。この辺がメインになるかと思いますけれども、町長もこれまで答弁の中で、やはり自立運営がなかなか難しいから慎重に対応するというお答えだったと思いますけれども、その辺のやはりある程度の持ち出しは、高齢者の生きがいづくりと社会参加ということが目的である以上やむを得ないとは思いますけれども、やはり先ほど財政の話もありましたが、いつまでもどこまでもということにはいかないと思いますので、やはり自立経営というものに近い線で押さえていかないとだめだと思います。

　　近隣のセンターはちょっと情報開示されておりますので見ますと、それぞれ相当の事業量をやっていますけれども、1,000万円クラスの補助金を連合会から、そして同額を自治体から受けていても、なおかつ赤字というようなところも、３つのうち２つがそうでした。ですから、その辺をしっかりとやっていただければと思っておりますが、この辺について町長、ひとつよろしくお願いします。

　　あとそれから、時間もないので、川崎町、村田町との広域連携はどういう形の連携なのか、２点、お願いします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　私は、一番最初は村上一郎議員さん、そしてあと去年でありますが、大沼昌昭議員からも一般質問がありまして、当初からずっと私はお話……。齋藤英之議員でした。失礼しました。お２人のほうにもずっと話ししてきているのは、やはり補助、町の持ち出しというのがとても大きいんです。その中で、全国的にもそれぞれの市町村単独で運営しているというのが現状なので、それをどうにか考えることができないのかということでいろいろと調べた結果、広域、ですから、私たちの村田町と蔵王町とそして川崎町で、この３町でやっていくに当たっても、まず一度、蔵王町が何人ぐらいいて、どういったあれかということで、１回立ち上げしなくてはいけないということなんです。一、二年はやってくれと。これは前々からお話ししていますが。

　　そういったことで、一番のあれは人件費なんです。市町村によって違いますが、今回、うちの場合だと四、五人体制だったんですが、あとほかは大体６人ぐらいだとかいるんですけれども、ですから、それを広域でやることによって人件費をぐんと抑えることができるということであります。そういったことを考えながら、改良していく。

　　それともう一つは、他町に行ってお手伝いすることはとてもいいけれども、なかなか地元の町だと大変だと。

　　それとあと、いろいろと観光面のほうにも、ホテル、旅館でも今人材不足になっているので、そういったところなんかにも対応できるような環境も整えてやっていきたいと思っていますので、そんなに当初の考えよりもうまく順調に広域化を進めながら対応して、押さえていきたいと思っております。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。ちょっと予定をオーバーしつつあるので、この件は終わります。

　　最後、４件目、みやぎ環境交付金活用事業につきまして、この交付金につきましては、先ほど出ていますように、これまでは環境負荷を軽減する事業に活用してきました。今般、先ほど町長からもあったわけですけれども、県のほうから、自然環境保全、環境教育の面からモデル的であると高く評価されたと述べられた市町村提案型事業の内容について、お伺いをいたします。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　次に、第４点目の「みやぎ環境交付金活用事業について」お答えいたします。

　　みやぎ環境交付金事業は、「みやぎ環境税」を財源とした市町村支援事業であり、市町村が実施する地域の良好な環境の保全、創造に資する取組を支援する事業で、中でも「市町村提案型事業」は、市町村が創意工夫して行う地域課題の解決に向けた事業を支援するものであります。

　　ご質問の本町における市町村提案型事業の内容でありますが、「蔵王山麓の自然環境・生物多様性の保全による環境共生型社会構築事業」を計画しており、これは本町が推進する「蔵王ジオパーク構想」における「環境保護」の分野を担う事業として実施するものであります。

　　この事業は、自然環境保護・保全に係る意識の向上に加えて、地域の担い手の確保や人材育成、観光資源との組合せによる産業振興、防災・減災の普及活動を通して、持続可能な地域社会構築を目指すことを目的としているところであります。

　　具体的な取組としましては、蔵王山麓の自然環境の保護・保全に関する副読本の製作、出前講座やイベントの開催、解説板の設置、ガイドの養成などを行うものであります。

　　本事業は、事業の採択に係る審査委員会において、「環境保護に係る意識向上」はもちろんのこと、「地域の担い手の育成」や「産業振興」「防災・減災」に対しても波及効果をもたらすことが期待され、高い評価を受け採択となったものであり、「蔵王ジオパーク構想」の推進に当たっても大きな原動力となるものと考えているところであります。

　　この事業を通しまして、蔵王町の良好な自然環境の保護・保全に取り組むとともに、自然環境の土台となる蔵王火山についても知見を広げ、令和４年度に、再度、本町において開催が決定した「全国火山砂防フォーラム」を弾みとして、防災・減災に対する普及啓発と対策の強化を図りながら、安全・安心なまちづくりを進めてまいりたいと思っております。

　　以上申しまして、答弁とさせていただきます。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　高く評価された事業内容が、山頂付近の自然保全、それからあと副読本、それから看板、ガイドの養成というようなことでございました。私の感覚としては、先ほど町長が冒頭に述べられた事業の趣旨からすると、ちょっとぴんとこないところがあったわけでございます。県が認めたんだからそれに何も言う必要はないんですけれども、他町村の今年度の事業内容を見ますと、公立学校の冷暖房の効率化による低炭素化、それから電動エコシェアサイクル活用による観光地創造、それから乗り合いタクシーにおける高環境性能車両の導入、それからあと地中熱の有効活用による冷暖房の効率化など、環境負荷の低減にそれぞれ1,000万円の補助金を活用しているということがありました。

　　我が町を考えますと、この中にも活用したいものがあるなと。ジオパークはジオパークとしてまた別だと私は考えたものですから、ちょっと確認させていただきたかったんですけれども、この辺の視点はもちろんなかったと思うんですが、念のためお伺いします。なかったでしょうか。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　これは、低炭素に当たっては蔵王町もこういういわゆる国定公園のまちでありますから、それは当然必要ではありますけれども、だけれども、今現在、現時点でそういった車社会よりも多くの何万人も山の山頂まで入るわけでしょう。ですから、三沢議員さんが一番それにずっと長年にわたって仕事にも携わってきているわけですから、やはり森林を守ったり、だけれども、現実的にそういう蔵王町のすばらしさを教えていく、これが今回の担当課である環境政策課が本当にみんなで知恵を絞りながら、そしていろいろなこと考えて、そして県のほうに出して、ですから、私としても大変喜ばしいことだし、担当課がそうやって頑張ったということを、ぜひ、ひとつ三沢議員からもお褒めの言葉をやっていただければと思っています。

○議長（村山一夫君）　三沢　茂君。

○10番（三沢　茂君）　ありがとうございました。

　　お褒めの言葉はもちろん差し上げますけれども、ただどうせ差し上げるんだったら、今の山に直接投資する、いわゆる財としてというようなことだったりとか、あとそれから今町長もご苦労なさっていると思いますが、我々も間もなく免許を返すような年になりつつあります。やっぱり乗り合いタクシーにこういったものを、いずれは高性能とかなんとかで理由をつけて補助金を使えればなという、もう少しこっちのほうに使ってもらったほうがいいかなということから、この質問をさせていただきました。

　　それで、せっかく水を向けられたので、ジオパークの推進、通告にはありませんけれども、それがバックボーンになっているということは今説明でよく分かりましたので、この辺についてもう一度町長にお話しをさせていただいて終わりたいと思います。

　　町長が村井知事に、先日、町の重点支援ということで要望した際、このことに触れられました。決意のほど、よく理解できました。これほど強く思っているんだなということでございます。

　　ただ、議会のほうでもここ２年、決算審査に連続して２年間附帯意見をつけるなど、多くの議員が町長に負けないくらいこの問題に関心を持っておりますので、明日からの予算審査において、いろいろと議論を交わして解決させていただきたいとなると思いますので、申し添えて私の質問を終わります。ありがとうございました。

○議長（村山一夫君）　町長。

○町長（村上英人君）　ジオパークの関係は、今、私がここでお話しするものではなくて、冊子で議員の皆様にもお渡ししていますので、一応読本していただければと。

　　それとあと、これから蔵王町のこういったところを含めて、やはり炭素社会を進めていかなければいけないんですが、県の少ない事業よりも、我々もちょっとずっと考えていますけれども、環境省の大きな金を持っていきたいと思っていますので、あまり小さなことではなくて大きなほうで一緒に考えていきたいと思っています。

○議長（村山一夫君）　以上で、代表質問を終わります。

　　以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

　　本日はこれをもって散会いたします。

　　大変お疲れさまでした。

　　　　　午後２時２４分　散会