健康一口メモNo352
脂質異常症
〜コレステロールが高いのは本当に食事のせい?〜
公立刈田綜合病院 循環器科 医師 中潟 寛 先生
「コレステロールが高い=脂っこい食事を気をつければ大丈夫!」、そのように考えていませんか?
コレステロールは細胞表面の「細胞膜」、体を調整する「ホルモン」、脂肪の消化吸収を担う「胆汁酸」の原料で、体に大切な要素です。肝臓で作られ、LDL(悪玉)コレステロールが全身にコレステロールを運ぶ役割を、HDL(善玉)コレステロールが全身の余分なコレステロールを回収する役割をし、肝臓で吸収され再利用(一部が胆汁となり便に排出)されます。
さて、多すぎたらどうなるでしょう?血液中の余分なコレステロールは血管の壁に吸収され、プラークと呼ばれる脂のコブが血管の内膜にできます。このプラークが突然破裂し、心筋梗塞や脳卒中として突然襲ってきます。
脂質異常症はコレステロールの合成・吸収・分解そのものに問題があることもあり、遺伝的に生まれつきコレステロールが高い人がおり、心筋梗塞発症の危険性が極めて高くなります。そのような方でも、早期発見早期治療で心筋梗塞発症の予防が可能な時代となってきました。遺伝の場合、一人発見できればその兄弟姉妹やお子さんの命も助けられます。心当たりのある方は、一度医師に相談しましょう。
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