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健康を守る行事



健康一口メモNo325
腫瘍マーカーとは

七ヶ宿町国民健康保険診療所 医師 吉野 祐貴 先生

 腫瘍マーカーという言葉を目にしたことはあるでしょうか。一般的な血液検査では測定しない項目ですが、癌が疑われる場合や、癌の診断後の経過観察などで利用されています。人間ドックで利用されているものもありますが、項目によっては偽陰性や偽陽性が多く含まれるため、結果の解釈には注意が必要です。
 CEA(癌胎児性抗原)はよく利用される血液検査項目の一つです。大腸癌、胃癌、肺癌、乳癌、膵臓癌など様々な癌で上昇することがある一方で、喫煙、肝硬変、糖尿病、腎不全、加齢などで軽度上昇することもあります。消化器癌での陽性率は1〜5割とばらつきがあります。例えば胃癌での陽性率は2割台の報告が多いですが、胃癌の中で最も進行したstageWでの陽性率は4割程度です。リンパ節転移や遠隔転移の無い大腸癌では感度を高く設定しても3〜4割程度です。このような検査なので数値が低くても癌が無いとはいえず、検診での利用は勧められていません。CEAが特に有用なのは癌再発の検出で、胃癌術前にCEA高値だった方の9割以上が再発時に上昇するといわれます。現時点で検診でも有用とされる腫瘍マーカーは大腸癌における便潜血検査と前立腺癌におけるPSA(前立腺特異抗原)のみです。

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