健康一口メモNo315
急ぐ熱・急がない熱
公立刈田綜合病院小児科 医師 鈴木 喜久男 先生
発熱は、何かと不安になる症状だと思います。幸い、夜中でも受診する必要がある熱(急ぐ熱)は、めったにありませんので、少し安心してください。
「細菌性髄膜炎(ヒブや肺炎球菌などの細菌が脳や脊髄で繁殖する)」にかかる人が、ワクチンのおかげでグンと減少し、熱の怖さも大分減りました。一刻を争う病気には、「細菌性髄膜炎」の他にも「脳症(インフルエンザウイルスなどにより脳が腫れ上がる)」や、「心筋炎(夏カゼのウイルスなどにより心臓の動きが悪くなる)」などがあります。
繰り返し外来で来院した方にお伝えしていることですが、急ぐべきかどうかを判断する目安は、@熱以外の症状(嘔吐・息苦しさ・うつろなまなざし・けいれん)、A全身状態(ぐったり)、そしてB年齢(4カ月未満の赤ちゃんは熱だけでも要注意)の3点です。
一方、発熱以外に大した症状がなく、元気が良いからといって(急がない熱)、放っておくのも危険です。「溶連菌感染症(溶連菌がノドで繁殖する)」や、「腎盂腎炎(大腸菌などが腎臓で繁殖する)」など、治療が必要な病気のことがありますので、発熱の際には日中に1回は診察を受けましょう。
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