健康一口メモNo297
「子宮体がん」

公立刈田綜合病院 産婦人科部長・検診センター部長
那須　一郎　先生

　子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがあります。子宮体がんは奥のほうの子宮体部の内膜に発生するがんです。
　子宮体がんは、最近発生数が急速に増えてきています。その原因としては、動物性脂肪摂取の増加や晩婚少子化などが推測されています。
　子宮体がんは多くの場合、不正出血や月経不順などの症状で婦人科を受診して発見されます。検診などの時に経腟超音波を行い、子宮内膜の肥厚や不整を指摘されて発見される場合もあります。
　診断は子宮の奥のほうから細胞や組織を採取して、細胞診や病理組織診をすることによって行われます。
　治療の中心は手術療法です。手術不可能なステージ3、ステージ4の場合は、放射線療法や抗がん剤による治療になります。治療成績は治療施設によってある程度の差はありますが、ステージ1であれば5年生存率が90％、もしくはそれ以上となっています。ステージ2でも80％ないし90％ですが、ステージ3では60％から80％、ステージ4まで進行していると10数％から30％程度となってしまいます。
　早期発見すれば予後の良いがんですので、不正出血や月経不順などの症状がある場合にはなるべく早く婦人科を受診してください。また、普段のがん検診を定期的に受けることもがんの早期発見・早期治療には大切です。
　皆さん、定期的に検診の受診を心掛けてください。　

休日当番医（内科・外科・歯科）　3月1日〜4月5日