健康一口メモNo290
「鉄欠乏性貧血」

公立刈田綜合病院腎臓内科 医師　太田一成 先生

　むくみとは、血管の中ではなく、組織の細胞間に水分がたまった状態をいいます。むくみを訴えられて来院される方は多く、腎臓、心臓、肝臓、甲状腺の病気をはじめ、アレルギーや炎症、薬剤、悪性腫瘍など、たくさんの病気がむくみの原因となります。今回はどうして腎臓の病気がむくみを引き起こすのかをご説明したいと思います。
　腎臓は水分だけでなく多くの物質の排泄を行います。腎臓の病気の中には、タンパク質が尿に流れ出るものがあります。血液中のタンパク質濃度は、血管の中に水分を引き戻す役割があるので、低タンパク質の状態では血管内に水分が戻りません。組織の細胞間に貯まってしまい、むくみという症状にいたります。また、腎臓が障害されると、尿量が減り、むくむこともあります。
　腎臓が原因の浮腫（むくみ）は体全体がむくみます。両足のむくみから出ることが多く、片足だけむくんだり痛みを伴ったりすることはまれです。症状や診察所見、問診、採血、画像診断、そして尿検査から原因となっている病気を見つけます。通常は内科を受診して、腎臓内科を紹介されることが多いです。
　むくみが出てきたら、病院を受診しましょう。

休日当番医（内科・外科・歯科）　8月3日〜9月7日